研究課題/領域番号 |
21K20268
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岸川 加奈子 九州大学, 基幹教育院, 助教 (40908274)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 障害学生支援 / 支援者 / 職務葛藤 / 半構造化面接 / 語り / インタビュー |
研究開始時の研究の概要 |
障害者差別解消法の施行により、高等教育機関において障害学生支援部門の設置と人員配置が急激に進んだ。しかし、障害学生支援に携わる者に共通した事前教育や資格取得等は求められておらず、個々の学問的背景や経験に基づいて支援業務を行っている状況にある。 本研究は、支援者の「語り」から、現在の障害学生支援における問題意識と展望の整理を行うことを目的とする。問題意識に関しては、特に「職務葛藤」に着目して整理を行う。展望については、バーンアウトの危険因子となり得る職務にまつわる負担の洗いだしを行い、離職との関係で着目される「バーンアウト現象」を未然に防ぐ提案に繋げる。
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研究実績の概要 |
本研究は、高等教育機関における障害学生支援者が支援業務を行う際に感じる葛藤や悩みと、その解決プロセスを明らかにすることを目的としている。対象者は高等教育機関において障害学生支援に携わる支援者とし、半構造化面接を実施し質的データを収集する。支援者の学問的背景として、障害学・特別支援教育・心理学・福祉学・医学等が想定されるが、葛藤や悩みの内容は、支援者の所持資格や学問的背景により異なると考えられる。分析は学問的背景ごとに、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いて行う予定である。 2023年度は、心理学を学問的背景に持つ支援者に対するインタビュー結果を、KH Coderを用いたテキストマイニングを行い、中間報告として、学生相談学会において発表を行った。インタビューデータを分析した結果、20回以上出現した特徴語は「心理・大学・最初・必要・先生・会議・学生」等、89語であった。特徴語同士の共起ネットワークから7因子が生成された。「話を聞くこと」や「発達障害学生や精神疾患学生への理解」等について、心理学の専門性を活かせると感じている一方で、「大学という職場環境への理解」・「学内連携や会議体への参加」に対して、困難を感じている可能性が示された。 また、教育学・福祉学等を学問的背景に持つ支援者へのインタビューも継続して実施し、逐語化を行った。 2024年度は、これらのインタビューデータを、それぞれの学問的背景ごとにテキストマイニングし、LD学会にて発表を行う。並行してM-GTAによる分析に着手する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年よりインタビュー協力者を募り、データ収集を行っているが、インタビュー協力者(支援者)の学問的背景に人数的な偏りがあり、分析に耐えられる人数・データの確保に至っていない状況である。学会等への参加時に、直接リクルートを行う等の工夫を行うと同時に、分析方法の見直しについても検討を行う。
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今後の研究の推進方策 |
高等教育機関において障害学生支援に携わる者が抱える葛藤と解決プロセスについて明らかにすることを目的としている。 KH Coder(樋口,2014)を用いたテキストマイニングにより、職務上の問題意識や葛藤に関する内容の因子を抽出し、全体的な傾向の確認を行う。その後、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(木下,2003)を用いて、概念化されたデータから困難状況への対処、結果のモデル図を作成し、困難感の構造や特徴について検討する予定である。 職務に当たる際に抱える葛藤と解決プロセスが明らかになることによって、現在の障害学生支援における問題点の整理と、支援者が健康的に職務を行う方策や今後の在り方の検討に貢献できるのではないかと考える。
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