研究課題/領域番号 |
21K20279
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 山梨学院短期大学 |
研究代表者 |
川上 英明 山梨学院短期大学, その他部局等, 講師(移行) (40910469)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 京都学派 / 京都学派教育学 / 田邊元 / 久野収 / 市民主義 / 種の論理 / 戦後教育学 / プラグマティズム / 個人主義 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「京都学派教育学」の政治的な可能性を、「市民主義」の思想を展開した久野収の教育思想に着目して導出することを目的とする。その際、久野の師であった京都学派の哲学者・田邊元の「種の論理」を、久野が批判していたことに着目し、「種の論理」から「市民主義」の教育思想への展開可能性を明らかにする。これを通して、京都学派の思想圏から、市民主義的な教育思想を考える手がかりを得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、哲学者・田邊元の「種の論理」を、思想家・久野収がいかに受容ないし批判した上で、久野の「市民主義」にもとづく教育思想が論じられたのかを明らかにすることを目差したものである。久野は、種の論理の国家主義的な側面を批判し、「種」の概念を自発的結社などに求め、のちの市民主義的な立場の前提を構築した。この立場から、戦後、久野は教育論を展開したが、そこには市民性を重視する特質をうかがうことができる。このことから、久野の種の論理批判は、戦後の彼の教育思想を支えるものであったことが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、日本の戦後教育思想における「京都学派教育学」の文脈に対して、京都学派の思想圏から離脱して展開された教育思想の可能性を、久野収に着目して考察したことにある。一般的に、京都学派教育学はその政治性が問題視されているが、思想史の可能性として、田邊哲学を批判して展開された久野の市民主義とそれにもとづく教育論は、従来の京都学派教育学研究に対して独特な特質を有している。京都学派との距離の置き方の相違によって、各論者の教育思想の射程が考えられるということを示唆した点が、本研究の学術的意義である。
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