研究課題/領域番号 |
21K20280
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 岡崎女子短期大学 |
研究代表者 |
木田 千晶 岡崎女子短期大学, 幼児教育学科, 助教 (60908680)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 子ども理解 / 遊びの理解 / 子育て支援 / 保護者支援 / 質的研究 / 遊び理解 / 相互理解 / 専門性 |
研究開始時の研究の概要 |
保育現場における子育て支援では、保育者と保護者の「相互理解」のもと、子どもの育ちをともに目指すことが求められている。しかし、立場が違えば「相互理解」は容易ではなく、保育者と保護者の「相互理解」が成立しているかについては疑問が残る。 本研究では、保育者と保護者の「相互理解」とはどのようなものかを問いとして、保育者は保育の専門性を、保護者は子育ての専門性を有する者であると捉え、それぞれの専門性が発揮されて成り立つ「相互理解」の可視化を目的とする。保育者と保護者の専門性の観点としてそれぞれの子ども理解の実相を明らかにし、その後、子ども理解を基軸とした「相互理解」につながる機序や要因を解明する。
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研究成果の概要 |
第一に,先行研究から子ども理解という言葉の扱い方を検討した結果,子ども理解は実践と隣り合わせの概念であるため,その言葉の意義は流動的で定義することは容易ではないと考えられた。本研究では,どのように子どもを見て,理解しようとするかを観点とした子ども理解を基軸にすることとした。第二に,保育者と保護者の子ども理解を検討した。多声的ビジュアルエスノグラフィーの手法を援用した調査とSCATによる分析の結果,保育者は,遊びそのものの教材的な価値を判断し,よりよい遊びの実践を目指すことが示された。保護者は,外面化する子どもの姿に着目し,子どもが感じる遊びの楽しさが関心の中心となる傾向にあった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「子ども理解」という言葉の安易な使用への警鐘を示した点,保育者と保護者の子ども理解を検討したうえで示された,保護者にとっての保育のわかりづらい点を明らかにした点において,本研究の学術的及び社会的意義が示されたと考える。保育者と保護者の違いを前提として,互いの立場から見える子どもの姿や保育の有り様を補い合うような形で関係を構築することにより,保育者と保護者の相互理解を促進できるのではないかと考察された。対等なパートナーシップの構築を前提としつつ,保護者にとって見えづらく,わかりづらい保育や遊びの意義について,保育者から保護者に言語化する必要性が示された。
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