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未知・未経験の事象が行動に及ぼす影響の定量的測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K20287
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0110:心理学およびその関連分野
研究機関相愛大学 (2023)
神戸学院大学 (2021-2022)

研究代表者

中村 敏  相愛大学, 人間発達学部, 講師 (40910261)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード実験心理学 / 学習・行動分析 / 行動経済学 / 関係フレーム理論
研究開始時の研究の概要

ヒトの行動は、未知・未経験の刺激によって制御されることがある。そのような刺激の機能は、言語を介した既知と未知の刺激間の関係性の学習によって獲得されると想定される。そのようにして獲得された刺激が行動に与える影響を予測するためには、その刺激の価値を測定することが必要不可欠となるが、そのような試みはなされていない。そこで、本研究では、行動経済学の数理モデルを利用して未知・未経験の刺激の価値を測定し、その性質を明らかにすることを目的とする。これにより、それらの刺激に基づいた人々の行動を予測し、望ましい方向に導けるようになることが期待できる。

研究実績の概要

未知・未経験の刺激が行動を制御する刺激(強化子)としての機能を獲得する背景には、刺激機能の変換が関係していると考えられる。刺激機能の変換とは、特定の機能を持たない中性刺激と、何らかの機能を持つ刺激との間に特定の関係性が確立されると、その関係性に応じて中性刺激の機能が変化することを指す。未知・未経験の刺激の強化子としての機能がこのプロセスによって確立されるのであれば、その効力は関係性の学習に関わる諸要因(等価、類似などの関係性の種類、元の刺激の価値の大きさ、学習量、学習方法など)によって変動すると想定される。これを検討するためには、未知・未経験の刺激の価値を数値化する必要がある。強化子の価値を数値化する方法の1つに、ある強化子を得るために必要なコストを操作して消費量の変化を測定するという方法があり、この方法で需要弾力性として推定された強化子の価値は強化真価(essential value: EV)と呼ばれる。以上を踏まえ、本研究では、見本合わせ課題によって既知の刺激と未知・未経験の刺激の間に関係性を確立し、それぞれのEVを仮想購入課題を用いて測定するという実験を行っている。等価関係を確立した実験では、刺激間関係の訓練前には何の機能も持っていなかった未知・未経験の刺激の価値が、等価関係を確立することで関係づけられた既知の刺激と同程度まで上昇することが示された。このことは、未知・未経験の刺激が強化子としての機能を獲得する背景には刺激機能の変換が関与しているという本研究の前提となる仮定が妥当であり、その検証のためにEVやその測定方法が有用であることを示唆している。現在、既知の刺激と未知・未経験の刺激の間に等価関係でない関係(大小関係)を確立する実験を実施しており、それによって刺激の価値は元の刺激と比較してどの程度上昇(下降)するかを検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

COVID-19の影響により全体的なスケジュールの遅れが生じており、研究環境の変化への対応が必要となったことも加わり、その遅れを取り戻すことができていない状態である。

今後の研究の推進方策

まず、現在実施中の大小関係の確立による価値の変化に関する実験の完了を目指す。この実験が完了した後、見本合わせ課題による訓練を用いず、教示のみを用いて刺激間の関係性を確立した場合の価値の変化に関する実験を行うことを検討している。完了した実験の成果については、順次学会発表や論文として公表する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 他者からの教示と他者への教示の行動獲得促進効果――フィードバックの機会のある2人実験場面での検討――2022

    • 著者名/発表者名
      中村敏・大河内浩人
    • 雑誌名

      行動科学

      巻: 61 ページ: 39-46

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 言語を介した質の高い幼児教育を目指して――本邦における就学前児童を対象とした応用行動分析学的研究のレビュー――2022

    • 著者名/発表者名
      中村敏・杉本任士
    • 雑誌名

      学校教育学会誌

      巻: 25 ページ: 1-10

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Stimulus generalization of behavioral history: Interspecies generality and persistence of generalization gradients2021

    • 著者名/発表者名
      Okouchi Hiroto、Nakamura Satoshi、Watanabe Sota、Lattal Kennon A.
    • 雑誌名

      Journal of the Experimental Analysis of Behavior

      巻: 116 号: 1 ページ: 82-95

    • DOI

      10.1002/jeab.702

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 社会的妥当性に関する評価の傾向とその課題――行動分析学研究(1986-2022)を対象としたレビュー――2023

    • 著者名/発表者名
      河村優詞・中村敏・杉本任士
    • 学会等名
      日本行動分析学会第41回年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 自由遊び場面における乳幼児の移動軌跡の分析2023

    • 著者名/発表者名
      中村敏・清水寛之・村井佳比子
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ルール支配行動の基礎と応用を発展させるためにできることとは?2023

    • 著者名/発表者名
      中村敏
    • 学会等名
      日本行動分析学会第41回年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 等価関係の確立を通した刺激機能の変換によって強化子の機能を獲得した未知・未経験の刺激の強化真価2022

    • 著者名/発表者名
      中村敏
    • 学会等名
      日本行動分析学会第40回年次大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-10-22   更新日: 2024-12-25  

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