研究課題/領域番号 |
21K20291
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
白野 陽子 慶應義塾大学, グローバルリサーチインスティテュート(三田), 特任助教 (20834154)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 社会的相互作用 / fNIRS / 社会認知 / 自閉スペクトラム症 / 発達障害 / 脳機能 / 乳幼児 / 側頭頭頂接合部 / 随伴性 / 社会的随伴性 / ハイリスク乳児 |
研究開始時の研究の概要 |
他者との社会的相互作用は、乳幼児期の言語や認知機能の発達において重要な役割を果たす。しかし、社会的相互作用にかかわる神経基盤の発達過程は明らかになっていない。特に、コミュニケーションに困難を示す自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害のリスクを持つ乳児の脳機能の発達は、まだほとんどわかっていない。本研究は、自然状況下の対人相互作用における発達障害ハイリスクとローリスク乳児の脳反応を比較検討し、社会的相互作用にかかわる神経基盤の定型・非定型発達過程を明らかにすることを目的とする。さらに、言語および社会認知発達について行動評価を行い、神経活動との関連を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、自然状況下の社会的相互作用場面において、社会的随伴性への発達障害ハイリスクとローリスク乳児の脳反応を比較検討し、社会的相互作用にかかわる神経基盤の定型・非定型発達過程を明らかにすることを目的とする。そのため、発達障害のリスクを持つ乳児と定型発達乳児を対象として、実際の対人相互作用における社会的随伴性への脳反応の検討を行なっている。本年度は、予定よりもデータ収集が遅れていた発達障害ハイリスク児のリクルートおよび実験実施を優先的に行った結果、約10名のハイリスク児の脳機能データと行動データを集めることができた。また、ローリスク児についても予定通りにデータの収集および解析を進めることができた。本研究では、可能な限り自然な社会的相互作用における脳機能計測を重視しており、参加児の反応に応じて刺激呈示を行なっていたため、刺激呈示の回数やタイミングが試行ごとに異なってしまうという問題があった。そのため、昨年度に引き続き、脳機能データについて複数の解析手法の比較検討を行い、本研究に適した解析手法を確立させた。この解析手法を用いて、これまでに得られた生後6-7ヶ月のローリスク児のデータ解析を行った結果、社会的随伴性に対してメンタライジングネットワークの一部である側頭頭頂接合部(TPJ)領域や背内側前頭前野(dmPFC)領域の活動の増加が認められた。一方、非社会的随伴性への脳反応については、これらの領域において有意な活動の増加は認められなかった。これまでに得られた成果の一部について、現在論文化を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、約10名の発達障害ハイリスク乳児の脳機能データと行動データを集めることができ、ハイリスク児とローリスク児ともに目標とする人数のデータを収集することができた。また、脳機能データについて、複数の解析手法の比較検討を進めることができ、データ解析についての知見を深めることができた。ローリスク児については、最終的なデータ解析がおおよそ完了し、学術論文の執筆に着手している段階である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、ハイリスク児とローリスク児の随伴性に対する脳活動の最終的な解析を行い、2群間での比較検討を進める。また、養育者との自由遊び場面における参加児の社会的行動について行動コーディングを実施し、社会的相互作用中の脳活動との関連を検討する。さらに、脳活動に加え、脳機能結合についての解析も同時に行い、社会的相互作用を支える脳機能ネットワークの発達について、先行研究の知見を踏まえつつ考察する。本研究成果について、国内学会や国際学会にて発表し、意見収集を行った上で論文執筆を行う。
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