研究課題/領域番号 |
21K20294
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 愛知淑徳大学 |
研究代表者 |
明石 法子 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 助教 (10908148)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 発達性読み書き障害 / 成人 / 書字流暢性 / 認知能力 / 主観的困難度 / 書字 / 反応時間 / 主観的書字困難度 / 音読流暢性 / 読み書き流暢性 |
研究開始時の研究の概要 |
発達性読み書き障害とは,全般的な知的発達に遅れがないとしても,一部の認知能力の低さにより音読や書字に困難が生じるという特異的学習障害である。これまで主に児童を対象とした研究や支援が行われてきたが,成人に対する知見は不足している。本研究では,発達性読み書き障害のある成人の認知特性(語彙能力,音韻認識能力,視覚認知能力)が,音読と書字の流暢性に及ぼす影響を解明し,科学的根拠に基づく支援方法の提言を試みる。
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研究成果の概要 |
全般的な知的発達の遅れがないにもかかわらず,読み書きに困難が生じる障害を「発達性読み書き障害」と呼ぶ。本研究は発達性読み書き障害のある成人の書字困難に焦点を当て,障害のない成人と比べてどの程度書字が遅いのか,その遅さの背景にはどのような要因があるのか検討した。さらに,手書きの代替手段であるタイピングやフリック入力に対してどの程度困難を感じているのか調査し,発達性読み書き障害のある成人にとってフリック入力は比較的困難度が低いこと,タイピングは個人の特性により困難度が異なることが明らかとなった。この研究成果により,発達性読み書き障害のある成人に対する効果的な支援方法についての手がかりが得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
発達性読み書き障害のある成人にとって,書字の遅さは幼少期から継続的に抱えている困難であり,就学・就労に支障をきたす原因となる場合がある。しかし困難の程度に対する定量的研究は少なく,支援方法の根拠となる科学的知見が不足している。本研究は発達性読み書き障害のある成人が障害のない成人と比べ,ひらがな単語の水準で有意に書字が遅いことを明らかにした。背景には音韻能力や視覚認知能力の問題があると考えられ,発達性読み書き障害のある成人が書字に関する合理的配慮を求めるにあたり, 根拠の一つになり得る知見が得られた。
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