研究課題/領域番号 |
21K20296
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 (2022) 四国大学 (2021) |
研究代表者 |
横嶋 敬行 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 助教 (90909631)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 児童 / 向社会性 / 向社会的動機 / 向社会的行動 / 潜在連合テスト / ストレス / 援助行動 / 児童期 / 精神的健康 / 向社会的動機づけ / 潜在的・顕在的な動機づけ / 測定法開発 |
研究開始時の研究の概要 |
心理学領域では人の「思いやり」について,向社会性の概念から研究が行われている。また,人の行動や意思決定は熟考(顕在レベル)と直感(潜在レベル)の二つのシステムから成り立っていると考えられている。そして「自発性」の高い援助行動を起こすためには,顕在レベルと潜在レベルの両方の向社会的動機が高いことが必要であると考えられている。本研究では,研究知見の少ない児童期を対象に,潜在的な向社会的動機の測定法を開発する。そして,開発した測定法を用いて,顕在的および潜在的な向社会的動機が児童の援助行動ならびに精神的健康に与える影響について検討する。
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研究成果の概要 |
心理学では他者への援助行動の動機を向社会的動機と呼んでいる。また,向社会的動機には意識的に測定される顕在的な向社会的動機(EPM)と,無意識に測定される潜在的な向社会的動機(IPM)がある。本研究では,IPMの測定法の開発を行い,IPMと援助行動および精神的健康との関連を研究した。対象は小学校4年生から6年生の児童であった。IPMの測定法は,紙筆版の潜在連合テストを使用して開発し,信頼性と妥当性を確認した。結果,援助行動の変化に対するEPMの関連について,IPMが調整効果を持つことが示された。また,IPMはEPMと比べて,精神的健康に対して正の関連が強いことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義 ①研究事例の少ない児童期の潜在的な向社会的動機について,測定法の開発を成功させ,今後の研究可能性を開拓したこと。②同様に,児童期の顕在的および潜在的な向社会的動機と,援助行動および精神的健康との基礎的な関連を明らかにしたこと。 社会的意義 ①児童の援助行動や精神的健康に対する潜在的動機の役割を示すことで,思いやりの心や行動の育成について新しい観点を示すことができたこと。②開発した測定法は,思いやりの心や行動を育む心理教育の効果検証に活用することができる。エビデンスに基づく教育方法の開拓への活用可能性を広げたこと。
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