研究課題/領域番号 |
21K20301
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
飯島 有哉 富山大学, 学術研究部人文科学系, 講師 (90909714)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 自傷行為 / 自殺リスク / アセスメント |
研究開始時の研究の概要 |
自傷行為には多様な状態像が存在することが知られており,その維持メカニズムによっても自傷行為者が有する自殺リスクは異なるとされている。本研究の目的は,自傷行為の維持メカニズムおよび自殺リスクの症状経過に応じた経時的な変化プロセスについて検討し,自傷行為者が有する自殺リスクアセスメントの体系化に貢献することである。
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研究成果の概要 |
自傷行為者が有する自殺リスクアセスメントの精緻化を目指す一貫として,本研究では自傷行為の維持メカニズムの経時的変化プロセスの観点から検討した。 質的検討および量的検討の結果から,自傷行為の維持要因には感情調節を基盤として他の要因が重複・拡大していく一方向的な傾向がみられた一方で,これらの変化は自傷行為の反復や長期化といった経過に伴い一元的に生じるものではなく,個人が有する自傷行為に関する文脈の変化に応じて生じるものであることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自傷行為は後の自殺既遂を予測する重要なリスク要因であることが示されている一方で,自傷行為の症状経過に応じて自殺リスクがどのように変化するのかについてはほとんど明らかにされていなかった。本研究は,自傷行為者が有する自殺リスクと関連することが示されている自傷行為の維持メカニズムの観点から経時的変化について検討し,維持要因の拡大に伴う自殺リスクの増加は症状経過や長期化に伴い一元的に生じるものではないことを示した。したがって,自傷行為者の自殺リスクアセスメントにおいては,自傷行為の持続期間の長短に関わらず,自傷行為に関するエピソードの変化について定点的な査定を実施することが重要であると考えられる。
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