研究課題/領域番号 |
21K20303
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
島根 大輔 高知工科大学, 総合研究所, 助教(大学支援研究員) (00909301)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 虚記憶 / 自己 / fMRI / 自己参照 / 脳活動計測 / EEG |
研究開始時の研究の概要 |
虚記憶とは,未経験の出来事についての偽りの記憶である。これが生じてしまうと,例えば「目撃証言」などの正確な記憶が必要な場面では,「冤罪」などの社会的な問題が引き起こされてしまう。最近の研究では,出来事を自分に関連づけて覚えることで,虚記憶が増加してしまうことが報告された。本研究は,この虚記憶増加のメカニズムをfMRI(磁気共鳴機能画像法)およびEEG(脳波)による脳活動計測によって明らかにしようとするものである。
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研究成果の概要 |
虚記憶と自己の関係は,記憶と自己の関係や虚記憶自体を調べた研究よりも数が少なく,未解明な点が多い。本研究では,行動実験によって自己の処理により虚記憶が増加する認知プロセスを明らかにすること,およびfMRIなどの脳機能計測手法を用いて,虚記憶の学習時・保持時・想起時のデータを網羅的に測定することで,虚記憶形成の脳活動ダイナミクスを明らかにすることを目指した。結果,虚記憶の形成と自己には密接な関連があることを行動実験により示し,虚記憶の形成・保持・想起時の網羅的な脳内動態をfMRI計測実験により同定した。これらの成果はいずれも新規性が高く,かつ他の研究領域にも波及効果をもたらすものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
虚記憶とは,未経験の事柄を実際の経験として思い出してしまうことであり,法廷場面での目撃証言等で生じると冤罪などの社会問題を引き起こす恐れがある。そのため,その生起メカニズムを解明することには一定の意義が見込まれている。しかし,虚記憶の研究は減少傾向にあり,脳活動計測やその解析手法が充実してきたにも関わらずその研究はほとんど実施されてこなかった。本プロジェクトで示した成果は,虚記憶の生起メカニズムを行動および脳機能計測で同定したものであり,社会的問題に応用可能であるだけでなく,学術的に未解明な領域を最新の手法で同定するという観点からは学術的意義の高いものでもある。
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