研究課題/領域番号 |
21K20305
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
萩野谷 俊平 明治学院大学, 心理学部, 講師 (80797142)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 取調べ / 虚偽検出 / 捜査面接 / 面接訓練 / 欺瞞 / SUE |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、被疑者が真実を語る者か、欺瞞を用いて取調官を誤った方向へ導こうとする者かの判別への有効性が示されている証拠の戦略的な使用(Strategic Use of Evidence: SUE)について,取調べにおける無実及び有罪の被疑者の返答パターンをアルゴリズムとして実装したアバターを用いた面接シミュレーションとフィードバックによる訓練法(アバタートレーニング)を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究は,被疑者の取調べにおいて取調官が保有する証拠の戦略的な使用(Strategic Use of Evidence: SUE)に関する面接技法について,アバターを用いた面接シミュレーションとフィードバックを組み合わせた訓練法(アバタートレーニング)を確立することを目的としている。 2022年度は,まず,模擬犯罪シナリオを用いてSUEの交差文化妥当性を調べる実験(2021年度に実施)のデータ(大学生25名)を検証した。その結果,有罪群と無実群の言語的反応パターンに対するSUEの効果を明瞭に示すことができなかった。そのため,アバターの作成に用いるにはシナリオの修正が必要であると判断し,次の段階として,模擬犯罪シナリオの妥当性の再検討をSUEの開発者の協力のもと行った。シナリオを検証した結果,SUEが機能するシナリオに必要な要素が現状では十分に含まれていないことが判明したことから,それらの要素について十分な理解のもと研究者がシナリオを修正すべく,SUEの開発者とオンライン及び対面で複数回のディスカッションを行っている。 2023年3月に行った対面での打ち合わせにおいて,シナリオの要素の詳細について確認できたことから,その結果に基づくシナリオ作成を現在進めており,修正版を用いた再実験を予定している。この手続きで収集したデータは,質問の種類(回答の自由度が高い質問,証拠に関する直接的な質問など)ごとの有罪群と無実群の言語的反応パターンの割合を算出するデータとなり,それらの割合を確率分布として実装したアバターの返答選択アルゴリズムを構築した上で,SUEを訓練するアバタートレーニングの効果検証実験に使用する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
アバターの作成に要するシナリオの修正作業が長期に渡ったことが原因と考える。
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今後の研究の推進方策 |
修正したシナリオを用いてクラウドソーシングサービスを使用したデータ収集を行う。収集するデータはアバターのアルゴリズム作成にも用いるため,取調官役のアバターを使った模擬面接を構築することでデータ収集を自動化し,より多くのデータを確率分布の構築に利用する。 また,作成したアルゴリズムで動作するアバターを構築し,アバターによる面接訓練の実験を実施する。
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