研究課題/領域番号 |
21K20307
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 東海学園大学 |
研究代表者 |
長峯 聖人 東海学園大学, 心理学部, 助教 (10909526)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 時間的距離化 / 学業場面 / 学業的失敗に対する信念 / 学業ストレス / 動機づけ / 未来志向 / 失敗への信念 / 学習動機づけ / 時間的距離 / 感情制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,時間的距離化(ストレスフルな出来事に対して長期的な視点から出来事を再解釈すること)が学業ストレスおよび学習動機づけに及ぼす影響について,学業的失敗場面に着目して検討することである。時間的距離化は長期的な観点から物事の結果を捉えるために,ネガティブな出来事のポジティブな側面や活用可能性について認知しやすくなることが考えられる。本研究では子どもにおいてストレスの生じやすい場面である学業的失敗場面に着目し,検討を行うこととした。
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研究成果の概要 |
本研究では,人生を俯瞰して捉えたり未来の自分という観点から目の前の出来事を捉えたりする方略である時間的距離化が,学業場面において適応的な効果をもたらすかについて検討した。高校生を対象に複数の調査を行った結果,時間的距離化を使う頻度の多い個人は学業的な失敗をネガティブに捉えず,むしろ成長の糧になるなどポジティブに捉えることが示された。さらに,時間的距離化は学業的失敗への信念を通じ,学業ストレスの低さ,自律的な動機づけの強さ,未来志向的な考え方を予測することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は時間的距離化を学業場面に適用した数少ない研究の1つであり,その中でも学業場面における失敗に対する信念に影響することを示したことは初めての成果である。学業ストレスや学習動機づけ,未来志向への波及も併せて,時間的距離化という概念が学業場面において有効であることを様々な角度から明らかにした点で,時間的距離化という方略を理解するための学術的知見を提供できたと考えられる。また,本研究は高校生を主に対象として学業的な失敗をポジティブに捉え適応的な学習を行うための先行要因を明らかにしたという点で,教育場面における介入への応用可能性も高く,一定の教育的意義があるといえる。
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