研究課題/領域番号 |
21K20315
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
櫻井 陽平 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (90907958)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Riemann幾何学 / 離散幾何解析 / Ricci曲率 / 幾何学流 / Ricci流 / 調和写像流 / 平均曲率流 / 調和写像 / 測度距離空間 / CAT空間 / Liouville定理 / グラフ |
研究開始時の研究の概要 |
Ricci曲率は滑らかなRiemann多様体の曲がり方を測る指標の一つであり,様々な観点から研究が行われてきた.特にRicci流と呼ばれるRicci曲率を用いた幾何学流はPoincar´e予想の解決など幅広い応用を持つことが明らかになっている.近年,Ricci曲率の概念を滑らかでない空間へ導入する試みが為されている.本研究の目的は,離散空間に対してRicci流の概念を導入し,それを用いた幾何解析を展開することである.その第一歩として,Ricci流方程式の優解である優Ricci流に焦点を当てる.時間発展するグラフに対して優Ricci流の概念を導入し,Ricci流理論の展開への足掛かりとする.
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研究成果の概要 |
Ricci曲率は滑らかなRiemann多様体の曲がり方を測る指標であり,様々な観点から研究が行われてきた.特にHamiltonにより導入されたRicci流と呼ばれるRicci曲率を用いた幾何学流はPoincare予想の解決など幅広い応用を持つ.本研究では優Ricci流(Ricci流の優解)に焦点を当て,それに沿った熱方程式に関する幾何解析的結果を得た.また近年,Ricci曲率の概念を滑らかとは限らない空間へ導入する試みが為されている.本研究ではBakry-Emery理論の観点から,離散空間に対して優Ricci流の概念を導入し,具体例の構成や関数不等式による特徴付けといった結果を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Ricci流はPerelmanによる3次元Poincare予想の解決において重要な役割を果たした.最近Bamlerにより高次元Ricci流の収束理論が発展しており,Perelmanの3次元の場合の結果を包括する理論が確立されつつある.そこでは優Ricci流に沿った熱方程式の幾何解析が鍵となっている.本研究で得られた諸結果は,それらの理論の今後の更なる発展に寄与しうるものであると考えられる.また離散空間上の幾何解析は純粋数学のみならず応用数学の観点からも注目を集めている.本研究で得られたグラフに対する優Ricci流に関する諸結果についても,材料科学や機械学習など他の分野への還元が期待される.
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