研究課題/領域番号 |
21K20318
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
仲北 祥悟 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任助教 (80855114)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | オンライン最適化 / 確率過程の統計学 / 確率的最適化 / エルゴード性 / 確率微分方程式 / 計算機統計学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はオンライン最適化手法を確率過程の統計学において活用し、導出される推定量の性質を調べることを通じて確率過程の統計学の可用性向上を目指すものである。確率過程とは確率的な時間発展を記述する数理モデルであり、この確率過程を時系列データから推定する方法を考える。全てのデータが観測された下での計算によるオフライン推定と、観測ごとに逐次的に計算を行うオンライン推定の2つのアプローチが挙げられる。通常は前者が精度で優れるが、頻繁に過去のデータ全てを用いたオフライン推定を行うことは計算負荷の観点から困難である場合があるため、計算効率に優れるオンライン最適化を用いた推定法を研究する。
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研究成果の概要 |
離散観測される確率微分方程式に対して一様非漸近リスク評価を持つオンライン推定法を構築し、その性質を数値実験によって検証した。本研究は特に確率的勾配降下法を疑似対数尤度関数に対して活用するために、バイアス・従属構造のある確率的劣勾配に対する確率的鏡像降下法の収束保証を行った。更に考える確率微分方程式モデルのクラスに対して一様なミキシング性評価を与えることで、この確率的鏡像降下法の収束保証が今回考える問題においては一様となることを示した。これらの道具立てを利用して、オンライン推定の一様リスク上界を導出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって得られたオンライン推定法は、柔軟な現象モデリングを可能にする確率微分方程式に対して現実的な離散観測という設定の下で、更に計算負荷の低い迅速な推定方法を実現するものである。これまでも同様のモチベーションで議論はなされてきたが、収束レートを離散観測の設定下で与えたオンライン推定法の研究は見られず、非自明な理論的進展を与えている。また柔軟なモデリングと計算負荷の低い推定方法の組み合わせによって、近年注目を集めるエッジデバイス上のデータ解析においても有効な解析手段を提供する。
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