研究課題/領域番号 |
21K20333
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
川本 敦史 拓殖大学, 工学部, 准教授 (10910052)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 逆問題 / 数理モデル / 異常拡散現象 / 非整数階拡散方程式 / 均質化法 |
研究開始時の研究の概要 |
土壌汚染において,有害物質の影響の少ない時刻・場所で得た観測データから,拡散の様子を決める物理係数や有害物質が湧き出す汚染源を調べる問題(逆問題)を数学的に解明することを目指す.土壌のような不均質な複合媒体における拡散現象は異常拡散現象と呼ばれており,本研究では,この現象を記述する時間非整数階拡散方程式に対して,均質化法と呼ばれる数学的手法の開発および逆問題における一意性と安定性の確立を目標とする.さらに,均質化法と逆問題の数学解析を組み合わせた新たな逆問題を創出し,その問題の解決を目指す.
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研究成果の概要 |
土壌汚染において,有害物質が土壌の中で拡散する様子は,通常の拡散と異なり,異常拡散現象と呼ばれている.この異常拡散現象を記述する時間非整数階拡散方程式に着目し,この方程式に対する均質化法とその逆問題への応用について研究を行った. 具体的には,周期的な構造と均質化された構造間の係数決定逆問題を新たに提案し,均質化法の結果などを組み合わせることで,この異なる構造間の逆問題における一意性・安定性の導出に成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義:時間非整数階拡散方程式に対する均質化法の数学的に厳密な議論による結果は先駆的研究のひとつである.また,本研究で新たに提案した周期的な構造と均質化された構造との異なる構造間の逆問題とその数学解析の結果は,今まで存在せず,学術的に独創性がある. 社会的意義:本研究は土壌汚染の問題に応用可能であり,数学的に厳密な理論的保証を与えるものである.また,土壌汚染における汚染の予測や汚染源の除去など現実の問題解決に効果的な指針を示すことが期待できる.
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