研究課題/領域番号 |
21K20334
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋工業大学 (2023) 東京電機大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
小田部 秀介 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40907862)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 有限連結群スキーム / Witt代数 / 不分岐コホモロジー / 有理性問題 / Chow群 / 正標数 / 代数的基本群 / 代数曲線の族 / 有限群スキーム / 分類空間 / 対数的Hodge-Wittコホモロジー / 移送付きNisnevich層 / 固有非特異代数多様体 / ホモトピー不変性 |
研究開始時の研究の概要 |
有限群に対する有理性問題はNoether問題とも呼ばれ古典的でありながら, 現在においても盛んに研究がなされている. 代数群に対しても多くの研究がなされている. 一方, 正標数の被約でない有限群スキームの場合, 有理性問題はほとんど手付かずである. そこで本研究において被約とは限らない有限群スキームにまで対象を拡げて, 有理性問題の研究を進める. また関連する話題とのインタラクションや対応する拡張も模索する.
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研究実績の概要 |
次の研究成果を得た. (1) 有限連結群スキームがtrigonalizableの場合にその分類空間のレトラクト有理性を示した. 有限群のときと同様, 群スキームの拡大によって分類空間の有理性が破綻すると考えているが, trigonalizableの場合には反例が構成できないことを明らかにした. trigonalizable群スキームのessential dimensionに関する先行研究の議論を分類空間の有理性問題へ応用することによってこの成果を得ることができた. (2) Witt代数の自己同型群スキームのtriangulationの研究を行い, 部分的解決を得た. Witt代数に付随する有限連結単純群スキームに対する有理性問題の解決のために, Witt代数の自己同型群スキームのtriangulationの議論を行った. 最も基本的な場合はtruncated polynomial ringsの自己同型群スキームの場合に帰着され, 既にtriangulationは確立されている. この先行結果の拡張を目指し, 一定の成果を得た. さらなる一般化の方策, 完全なtriangulationの確立の見通しも立てることができるなど, 状況をだいぶ整理することができたと言える. (3) 基本群スキームの最大線形簡約商のプレプリントの大幅な改訂を行った. 有限群スキームの有理性問題に関連する話題として基本群スキームの研究を行った. 当該プレプリントについては数年以上前に投稿していたが, 投稿先ジャーナルが一向に採否の決定を下さず, その間進展があったにも関わらず身動きが取れない状態であった. 今年度ようやく非掲載の決定が下されたので, 進展があった内容を新たな結果として加える形での改訂を行なった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画に照らし合わせると遅れていると言わざるを得ないため.
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今後の研究の推進方策 |
Witt代数の自己同型群スキームのtriangulationを確立し, それをWitt代数に付随する有限連結単純群スキームの有理性問題に応用するという方針で今後も研究を進める. 実際, 有理性問題の解決のためには自己同型群スキームの構造の理解だけでは不十分であり, 一般の局所環上におけるWitt代数のtwisted formの分類なども必要である. この点についても引き続き議論を進める.
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