研究課題/領域番号 |
21K20347
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野本 哲也 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (00908650)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 熱伝導率 / パルス強磁場 / 熱容量 / 量子スピン / ヒートパルス法 / 熱拡散率 / Shastry-Sutherland Model / 熱伝導 / 超強磁場 / フラッシュ法 / 量子スピン系 / 磁化プラトー / 熱測定 / パルス磁場 |
研究開始時の研究の概要 |
パルス強磁場中での熱伝導率測定は、強磁場下における磁性体が示すスピンの動的な性質やスピン―格子相互作用などの情報を含む、重要な測定手法である。本研究ではパルス強磁場下で熱伝導率の高精度・高速測定が可能な新規測定系の開発を通じ、スピン液体やスピン・ダイマー系などの量子スピン系が強磁場下で示す新規な特性および物性発現の起源について探求する。また、磁性体が示す磁場による熱伝導率の変化を用いた熱スイッチング効果など、新規機能性材料としての可能性を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、これまで技術的困難さにより未開拓であった強磁場下における熱輸送現象の研究を展開するため、パルス強磁場下における熱伝導率測定装置の開発を行った。ヒートパルス法の原理に基づいた高速・高精度な測定システムを確立することに成功し、最大40Tの強磁場領域まで物質の熱伝導率を測定することが可能となった。また、本セットアップを用いて量子スピン物質であるSrCu2(BO3)2に対する強磁場下熱伝導率測定を実施し、20T以上で起こる磁気構造の変化に起因した熱伝導率の減少を捉えることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
物質の相転移を利用した熱制御・スイッチング技術は、高効率な排熱の実現や熱を利用した発電など様々な領域に応用が可能であり盛んに研究されている。今回の開発により強磁場中で起こる相転移が熱輸送に与える影響を検証できるようになったことで、新たな熱デバイス材料の探求や特異的な熱輸送現象を示す現象の探求が可能になったという点で、その学術的・社会的意義は大きいと考えられる。
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