研究課題/領域番号 |
21K20348
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
戸田 賀奈子 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (00908387)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | セメント系材料 / C-S-H / M-S-H / N-A-S-H / 天然有機物 / 非晶質ケイ酸塩水和物 / 土壌有機物 / 移行遅延 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、土壌有機物(NOM)のセメント系材料に対する作用を解明する。NOMによりセメント系材料の主成分であるCaケイ酸水和物(C-S-H),Mgケイ酸水和物(M-S-H),Naアルミノケイ酸水和物(N-(A)-S-H)の微細構造が影響を受け、材料スケールでの溶存イオンの収着・拡散能をも変化させるか検証する。本研究の成果は、放射性廃棄物処分で使用が検討されているセメント系材料の放射性核種のバリア性能評価に資する。
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研究成果の概要 |
本研究は、Ca、Mg、Naを陽イオンに持つケイ酸水和物のC-S-H、M-S-H及びN-A-S-Hの放射性核種(RI)収着サイトや拡散場を決定する微細構造への天然有機物(NOM)の寄与と、その変質分布を総合して評価することで、NOMによる様々なセメント系材料への変質影響を示した。土壌由来の天然有機物であるアルドリッチフミン酸を用いた各ケイ酸水和物の合成実験と変質試験より、C-S-HやM-S-HのSi重合、すなわちその低結晶性鉱物としての構造を変質させる可能性が示唆された。また、各ケイ酸水和物に対し、NOMが収着・拡散する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果の学術的意義は、不定形の高分子である天然有機物と低結晶性の鉱物の相互作用を明らかにしようとする点にある。現代の技術では分析が困難な複合試料であるが、天然で生じうる現象のため、この新たな研究領域の開拓は、天然有機物-セメント系材料-放射性核種間作用の理解を推進する研究の前章と位置付けられる。 社会的意義は、放射性廃棄物処分場で実際に起こりうる天然有機物による建設材料マトリックスの変質を明らかにすることで、現場施工に適した建設材料の判断基準の一つとして活用することが想定でき、その安全性向上に資することができる。
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