研究課題/領域番号 |
21K20353
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
江島 輝美 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (70712173)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 重希土類元素 / 魚骨 / アパタイト / 有機物 / EPMA / 魚骨類 / イットリウム / 有機組織 / 重希土類 / コラーゲン / 軟組織 / フィッシュコラーゲン / 希土類元素 / 電位差滴定分析 / 透過型電子顕微鏡 / 魚類の骨 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、資源として注目された深海底泥中の重希土類元素のホスト鉱物が、魚類の骨を構成するアパタイトであることは解明されているが、「重希土類元素を取り込みにくいアパタイトになぜ濃集が起こったのか」については未解明である。 申請者は、先行研究結果から魚類起源アパタイトの有機物組織が濃集メカニズムに関係する可能性が高いことを明らかにした。しかし、海洋生物の有機物組織は温度変化で容易に分解するため、現存する試料中の重希土類元素の存在状態や分布を調べるだけでは、濃集メカニズムは解明できない。そこで、本申請研究では予想される重希土類元素の濃集過程を実験により再現し、有機物の濃集メカニズムへの関与を実証する。
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研究成果の概要 |
近年、深海底泥中には陸上鉱床の約数千倍もの重希土類元素が濃集していることが報告され、資源として注目を集めている。これまでに重希土類元素のホスト鉱物が魚類の骨を構成するアパタイトであることは解明されているが、「アパタイトになぜ濃集が起こったのか」については未解明である。申請者は、先行研究の結果から魚類起源アパタイトの有機物組織が濃集メカニズムに関係する可能性が高いことに着目した。本研究では、現存する魚骨への重希土類元素の濃集実験を行い、魚骨の構成物である無機物のアパタイトよりも有機物組織に重希土類元素が濃集しやすく、有機物組織中には濃集しやすい組織としにくい組織が存在することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
魚類起源アパタイトの重希土類元素の濃集メカニズムを解明するには、アパタイト中の重希土類元素の存在状態を明らかにすることが重要である。先行研究では、重希土類元素はアパタイト中の構造にCaを置換して存在、またはアパタイト結晶の表面に吸着し錯体として存在することが報告されてきた。本研究では、これまでに検討されなかった魚の骨がもつ有機物に着目した。その結果、有機物が重希土類元素の濃集に関わる可能性が高いことが明らかになった。今後、魚類起源アパタイトの重希土類元素の濃集のより詳細なメカニズムが明らかになれば、深海底泥からの効率的な重希土類元素回収や固定回収技術の開発への発展も期待できる。
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