研究課題
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本研究は,新規海底鉱物資源として注目される「レアアース泥(レアアース元素を豊富に含む深海堆積物)」が,いつ・どこで・どのように形成されたのかを解明することによって,将来重点的に資源探査を行うべき海域を明らかにすることを目的とする.このために,海洋中の極微量元素であるオスミウムの同位体比を測定することによって高品位な資源が堆積した年代を精緻に決定する.さらに,機械学習によって大量の魚類の歯や鱗の微化石を観察することで,レアアース泥の品位に大きく影響する魚類の生産性が,時代を通じてどのように変遷したかを明らかにする.
本研究は,新規資源として注目される深海堆積物「レアアース泥」の成因を,海洋生態系の変遷との関連から明らかにすることを目的とした.本研究ではまず,魚類の歯や鱗の微化石「イクチオリス」を,深層学習に基づいて顕微鏡画像から自動で検出する技術を確立した.この深層学習システムを用いて太平洋の深海堆積物から網羅的にイクチオリス観察を行った.この結果,南鳥島周辺海域における高品位なレアアース泥の生成に,より古い時代の堆積物が再堆積した可能性があることを示した.
イクチオリスを用いた海洋生態系変遷史の解読は近年大きな注目を集めているが,熟練の技術を持つ観察者が時間をかけて実施する必要があることから十分な観察が進んでいなかった.本研究で確立した観察技術により,網羅的なイクチオリス観察が可能になり,今後層序学や古環境学の議論を大きくアップデートすることが期待される.さらに,この技術はあらゆる微化石や粒子鉱物の観察に適用可能であることから,学術的・社会的意義の大きい成果であるといえる.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件) 備考 (7件)
Economic Geology
巻: -
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