研究課題/領域番号 |
21K20357
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
波場 泰昭 日本大学, 生産工学部, 助手 (60908789)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ビーム物理 / 負イオン源 / 位相空間構造 / 速度分布関数 / 集束性 / 表面生成 / 核融合発電 / ビーム / 速度分布 / 位相空間 / 核融合 / 負イオンビーム / 発散角 / ビーム集束 |
研究開始時の研究の概要 |
核融合発電は,次世代の基幹エネルギー源として有力な候補である.しかし,その実現に向けて,核融合プラズマ加熱に必須となる負イオンビームの集束性向上が急務の課題となっている.研究代表者は,これまでに,単一の負イオンビームは複数の速度成分から構成されており,それらの起源が引出界面にあることを明らかにした.しかし,引出界面の静電レンズ効果が複数速度成分に与える影響は,未解明の問題として残されている.そこで本研究では,引出界面の静電レンズ効果に対する負イオンビーム位相空間構造の応答を明らかにすることで,負イオン源が固有にもつ最適なビーム引出条件を提示する手法を確立する.
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研究成果の概要 |
本研究では、ピンホールアレイと検出器からなるエミッタンス計測器を用いて、ビーム径方向における速度分布の全貌を実験的に評価する手法が確立された。この成果は、アメリカ物理学協会の学術誌AIP Advancesで、Featured Articleとして出版された。また、ピンホールアレイの幾何構造による制限を受けて離散的に取得された速度分布に対して、カーネル密度推定法を適用することで、連続的に補完された位相空間構造が再構成された。速度分布関数及び再構成された位相空間構造に基づき、負イオンビームに内在する複数の速度分布成分に対する発散角、エミッタンス、含有率を定量的に評価できることが実証された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
純水素放電プラズマ領域に少量のセシウムが添加されたイオン源から静電加速された負イオンビームは、がん治療、素粒子実験、質量分析、及び核融合発電など広い分野で応用されている。これらの分野に共通して、発散角の小さな負イオンビームが要請されている。核融合発電の実用化に向けた高周波放電方式負イオン源から引き出されたビームの発散角は、日本も参画する国際プロジェクトITERの仕様に対して3倍程度大きく、その改善が喫緊の課題となっている。本研究で提示された径方向速度分布関数及び位相空間構造の再構成手法は、ビーム物理に関する新たな知見を与えると共に、今後のシミュレーション研究への展開・貢献が期待される。
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