研究課題/領域番号 |
21K20359
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
川崎 瑛生 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (40896635)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 狭線幅遷移 / 微細構造定数の時間変化 / 同位体シフト / 未知粒子の探索 / 暗黒物質探索 / 精密分光 / 狭線幅遷移探索 / レーザー冷却 / イッテルビウム |
研究開始時の研究の概要 |
イッテルビウムは光格子時計に使われる原子の一つで、通常は578 nmの狭線幅遷移が光格子時計の運用に用いられる。もう1つ431 nmの狭線幅遷移の存在が理論的に予言されているが、これまでのところ実験的には観測されていない。本研究ではまず431 nmの狭線幅レーザーを開発し、この光をレーザー冷却された原子に照射することによって狭線幅遷移の探索を行う。遷移を発見したら周辺で周波数をスキャンして中心周波数の絶対測定を行う。431 nmの遷移は微細構造定数の変化に対する感度が高い狭線幅遷移なので、基礎物理定数の時間変化の探索や同位体シフトを用いた未知のボソンの探索といった応用が期待される。
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研究成果の概要 |
微細構造定数の時間変化などに高い感度を持つとされるイッテルビウムの431 nmの狭線幅遷移を探索した。冷却原子を生成する系並びに431 nmの狭線幅レーザーを確立した。30 uKに冷却した原子に狭線幅のレーザーをその周波数をスキャンしながら照射することによって遷移を観測し、絶対周波数を10 kHz未満の精度で測定した。また、gファクターや超微細構造のような磁気的な性質も合わせて測定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで観測されていなかった狭線幅遷移を観測し、その絶対周波数を測定した。この測定は微細構造定数の時間変化や暗黒物質探索につながる成果であり、基礎物理の発展に寄与する。また、外場に対する感度の高い遷移であるため、この遷移と光格子時計を組み合わせることによって現在の世界最高精度の原子時計である光格子時計の精度をさらに向上させることが期待される。
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