研究課題/領域番号 |
21K20363
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0203:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
桜井 亘大 東北大学, 理学研究科, 特任助教 (70910256)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 軽いスカラー暗黒物質 / 付加的ヒッグス粒子 / ヒッグスセクター / 量子補正 / 拡張ヒッグスセクター / ヒッグスボソンの暗黒物質への崩壊 / 荷電ヒッグス粒子の崩壊分岐比 / 輻射補正 / 精密計算 / 軽いスカラー新粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
標準理論を超えた新物理を明らかにする鍵はヒッグスセクターにあると考えられる。本研究は様々な標準理論から拡張されたヒッグスセクターを持つ理論の軽いスカラー新粒子を予言するシナリオに注目する。本研究で扱う理論は、軽いスカラー新粒子が暗黒物質であるシナリオやCP-oddヒッグスボソンであるシナリオを含む。軽い新粒子に関連した物理量やヒッグスセクターの構造に直結するヒッグスボソンに関連した物理量に対する精密理論計算を行い、それらの理論予言に対する量子効果を通じてヒッグスセクターの詳細や軽い新粒子の性質を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
軽い暗黒物質や付加的ヒッグス粒子を予言する新物理模型に対し以下の成果を得た。軽い暗黒物質がヒッグス粒子や付加的ヒッグス粒子と強結合を持つ場合、その強結合を通じた将来加速器実験における暗黒物質生成過程により、その様なシナリオを検証出来ることを示した。また、この様なシナリオは2022年CDF II実験で報告されたWボソン質量の標準理論予言からのずれを最大で5MeV緩和することを示した。軽い暗黒物質が将来実験で発見されば、付加的ヒッグス粒子の質量スケールが決定される事を示した。また、付加的ヒッグス粒子の崩壊過程やヒッグス粒子の軽い暗黒物質に対する崩壊過程に対する量子効果の理論的性質を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、以下二つの点を明らかにした事である。(1): 軽いスカラー暗黒物質を探索する上で付加的ヒッグス粒子の影響は、その質量スペクラムによらず重要であること(軽い場合は付加的ヒッグス粒子の崩壊が重要になり、重い場合は量子補正を通じて125GeVヒッグス粒子の崩壊に影響する。)。(2): 軽いスカラー暗黒物質が発見されれば、付加的ヒッグス粒子との関連性によりヒッグスセクターの構造解明に迫り得ること。 本研究で得られた理論的帰結を検証するためには、素粒子現象を超高精度で測定出来る新たな加速器が必要である。社会的意義は、この様な最先端の加速器を作る上で様々な産業技術の発展が期待される点である。
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