研究課題/領域番号 |
21K20364
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0203:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
殷 文 東北大学, 理学研究科, 助教 (20908719)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アクシオン / インフレーション / 非線形進化 / 格子計算 / 再加熱 / ドメインウォール / 非線形発展 / 宇宙論 / 暗黒物質 / 暗黒放射 / 初期宇宙 / ダークマター / 非線形 |
研究開始時の研究の概要 |
新物理法則の幾つもの有力候補は仮説的粒子アクシオンが存在することを示す。アクシオンは宇宙インフレーションを引き起こしたり、宇宙に壁のようなエネルギーの塊を作ったり、現在の宇宙を占有する暗黒物質になったりする。いずれの場合も、アクシオン場は宇宙の発展に伴い、非線形的進化をするプロセスが存在する。その記述の難しさのため、従来の研究では、非線形的進化は大雑把にしか議論されてこなかった。本研究では、格子計算に基づき、これらの非線形進化プロセスを詳細に調べ、アクシオン非線形進化の宇宙論を明らかにする。
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研究実績の概要 |
アクシオンによる位相欠陥であるドメインウォールの宇宙論的進化を格子計算を用いた数値シミュレーションで研究し、論文で成果を発表した(2205.05083, 2211.06849)。特に、宇宙の始まりであるインフレーション期に引き起こされた揺らぎによってドメインウォールが生成されると、ドメインウォールは非常に長く存在することを示した。このような長距離相関は、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の温度揺らぎのデータからも見えているように、すでに確かめられている宇宙インフレーションの予言である。本研究では、従来見逃されていたインフレーション揺らぎによる長距離相関を取り入れた。格子計算を行うことで、ドメインウォールの非線形的な進化において、その相関は保たれることを指摘し、「インフレーション揺らぎ由来のドメインウォールが不安定である」という長年の理解を覆す結果を得た。また、この結果により、新たなドメインウォール問題や、アクシオンドメインウォールが既存の等方宇宙複屈折の観測データを説明するシナリオとしての重要さが確固となった。宇宙論的な観測的なドメインウォールネットワークを宇宙の非等方的複屈折を通して観測する可能性について詳しく議論した。これらの観測データはLiteBIRDをはじめとする将来CMB観測実験でより精密化するため、複屈折からインフレーション期の情報を探るというアプローチも可能となることを示唆している。
本研究課題に関連する研究として、他に17本の論文を発表している(雑誌掲載、アーカイブ掲載含む)。国際・国内会議で関連研究成果を12回発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響により、海外出張を行い、エキスパートと協力して進めるべき研究内容に遅れている。 一方、当初予想していなかった方向での成果があった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、インフレーション揺らぎによるドメインウォール問題の解決方法や、そのマルチメッセンジャー的示唆、さらには宇宙の再加熱におけるプラズマの非線形的発展を調べる予定である。
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