研究課題/領域番号 |
21K20365
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0203:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 (2022) 横浜国立大学 (2021) |
研究代表者 |
浅井 健人 東京大学, 宇宙線研究所, 特任研究員 (00913774)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 暗黒物質 / 長寿命粒子探索実験 / 標準模型を超える物理 / 素粒子現象論 / 長寿命粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
暗黒物質の候補としては,これまでGeV~TeV程度の質量を持つ素粒子が有力であったが,実験の制限が厳しい現在,質量がGeV以下の軽い暗黒物質が注目されている.様々な長寿命探索実験が計画され,また近い将来に実施される現在,標準模型粒子との相互作用が非常に弱い軽い暗黒物質の長寿命粒子探索実験による検出可能性を議論することが重要となっている. 本研究では,標準模型,暗黒物質および媒介粒子からなる有効模型を考え,現在計画されている長寿命探索実験による検出感度の計算,および軽い暗黒物質の検出に最適な実験・検出器の提案を通じて,長寿命粒子探索実験による軽い暗黒物質の探索に貢献することを目指す.
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研究成果の概要 |
近年GeV以下の軽い質量を持つ暗黒物質が注目を集めている。宇宙から飛来する軽い暗黒物質はその軽さゆえに核子を反跳させるエネルギーを持たず、直接検出実験の強い制限を回避することが可能である。一方でビームダンプ実験といった長寿命粒子探索実験では高エネルギーの暗黒物質が生成されるため、反跳による検出も可能となる。 本研究では,日本で計画されている電子・陽電子線形加速器であるInternational Linear Collider(ILC)を用いた長寿命粒子探索実験であるILCビームダンプ実験による軽い暗黒物質探索を議論し,暗黒物質の探索に対して感度を持つことを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
暗黒物質は、様々な宇宙観測によって存在が確かであると考えられていながら、その性質はほとんど解明されていない。さまざまな直接・間接実験によって精力的に暗黒物質探索が行われているにもかかわらず暗黒物質は未だ発見されていない現在,これらの実験による探索が困難な軽い暗黒物質模型にも視野を向ける必要がある. 本研究は,そのような暗黒物質に対して,長寿命粒子探索実験が非常に強力な探索手段になりうることを明らかにした点で重要である.また,現在提案中のILCの新たな可能性を開いた点においても意義深いと言える.
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