研究課題/領域番号 |
21K20369
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0203:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
森 寛治 福岡大学, 公私立大学の部局等, ポスト・ドクター (50910816)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アクシオン / 超新星爆発 / 重力崩壊型超新星爆発 / 宇宙素粒子物理学 / 恒星進化論 |
研究開始時の研究の概要 |
太陽の10倍より重い星は、超新星爆発と呼ばれる爆発を起こしてその一生を終える。超新星爆発の中心付近では物質が極端に圧縮され、1000億度以上の超高温が実現する。このような人間の手で実現できない極限環境では、未知の素粒子が生まれる可能性がある。そこで本研究では、超新星爆発のシミュレーションを用いてアクシオンと呼ばれる未知の素粒子の生成の様子を計算する。理論計算の結果と超新星からのニュートリノや重力波の観測を比較することによって、未知の素粒子の性質を制限することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、アクシオンと呼ばれる未発見の素粒子を、超新星爆発を用いて探索する手法を開発した。報告者は、アクシオンの生成と消滅によるプラズマの冷却・加熱効果を取り入れた超新星シミュレーションを実施し、観測可能量に対する影響を調べた。その結果、超新星の爆発エネルギーはアクシオン加熱によって従来のモデルより大きくなること、その一方でニュートリノや重力波の信号はより小さくなることを定量的に明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
素粒子物理学の目標は、この世界の最も基本的な構成要素を明らかにすることである。これまで、加速器のような巨大な実験装置を用いた研究が素粒子物理学を牽引し、世界の基本構造に対する人類の理解は飛躍的に進歩してきた。一方、そのような大規模な研究を行うためは多額の費用と時間を要するため、さらなる進展のためには異なるアイデアに基づく代替手法が必要とされている。その一つが、本研究で報告者が開拓している、天体現象を用いた手法である。本研究を通して、超新星の爆発エネルギーのような観測可能量が、地上実験で捉えることのできなかった未発見の粒子を探索する上で有用であることが明らかになった。
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