研究課題/領域番号 |
21K20378
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
豊内 大輔 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (30907374)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 大質量星 / ブラックホール / ガス降着 / 輻射流体シミュレーション / 輻射流体計算 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では3次元輻射流体計算を行い、原始銀河内における1万太陽質量程度の超大質量星形成過程、及びその死後残される中間質量ブラックホールへのガス降着過程について調べる。銀河中心超巨大ブラックホール形成の解明に向けて、種となる中間質量ブラックホールがどのような質量分布で生まれ、その後どのように質量を獲得していくのか明らかにし、さらに初期宇宙における超大質量星及び中間質量ブラックホールの将来観測の可能性についても検証する。
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研究成果の概要 |
銀河中心に普遍的に存在する超巨大ブラックホール(Black Hole; BH)の形成過程解明に向けて、種となるBHがどのように生まれ、その後どのように質量を獲得していくのか明らかにすることが極めて重要である。そこで本研究では3次元輻射流体シミュレーションを行い、金属量を含まない初代星形成過程、及びその死後残される残骸BHへのガス降着過程について調べた。シミュレーション結果に基づき初代星を起源とするBHの質量分布を予言し、さらに初期宇宙において急速に質量を増やすBHの存在、およびその観測可能性について言及した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
初期宇宙で許される様々な星形成環境でシミュレーションを実施した結果、形成する初代星の質量は100太陽質量から10万太陽質量まで幅広い範囲に分布し、星質量と母体となるガス雲の密度、温度の間には密接な相関関係が存在するが明らかになった。私はこの関係と宇宙論的構造形成モデルを掛け合わせて初代星の質量分布を予言した。さらに星がBHへと進化した後もシミュレーションを続け、一部のBHが非常に急速な質量成長を経験することを示した。このように急速成長するBHはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などで観測できる可能性がある。これらの研究成果は超巨大BH形成の全貌解明に向けた大きな前進と言える。
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