研究課題/領域番号 |
21K20382
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西川 友章 京都大学, 防災研究所, 助教 (10909443)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | スロー地震 / 地震活動統計モデル / 地震発生確率予測 / 沈み込み帯 / スロースリップイベント / テクトニック微動 |
研究開始時の研究の概要 |
沈み込み帯プレート境界で発生する低速な断層滑り現象(スロー地震と総称)は、沈み込み帯における地震発生メカニズムに深く関係し、世界各地でスロー地震と地震活動の因果関係の解明が進められている。その一方、現在、世界で標準的に使用されている地震活動統計モデルには、スロー地震が地震活動に及ぼす影響(誘発効果)が全く考慮されておらず、スロー地震が発生すると、適切に地震活動を予測できなくなるという問題がある。本研究は、地震学的・測地学的観測データの解析を通してスロー地震と地震活動の因果関係を解明し、それを定量化した上で地震活動統計モデルに新たに組み込むことで、この問題を解決する。
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研究成果の概要 |
沈み込みプレート境界で発生する低速な断層滑り現象(スロー地震)は、地震活動を誘発することが知られている。しかし、現在、世界で標準的に使用されている地震活動統計モデルには、スロー地震の地震活動誘発効果が全く考慮されていない。そのため、プレート境界でスロー地震が発生した際、地震活動統計モデルに基づく地震発生確率予測の結果と、実際に観測される地震活動が大きく乖離するという問題があった。本研究は、主にニュージーランド・ヒクランギ海溝における地震学的・測地学的観測データの解析にもとづいて、スロー地震の地震活動誘発効果を定量化し、それを地震活動統計モデルに初めて組み込むことで、この問題を解決した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、世界で初めて、スロー地震(特にスロースリップ)の地震活動誘発効果を明示的に組み込んだ地震活動統計モデルを開発した。本研究の新たなモデルにより、スロー地震に伴う地震活動の確率的な予測が初めて可能となった。また、本研究は、「過去の地震活動に基づいて未来の地震活動を予測する」という地震活動予測研究の従来の枠組みから脱却し、「過去の地震活動とスロー地震活動に基づいて未来の地震活動を予測する」という新たな枠組みを提示したという点でも大きな学術的意義がある。今後、本研究のモデルをさらに改良してゆくことで、スロー地震に伴う地震活動の確率予測の精度向上が期待される。
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