研究課題/領域番号 |
21K20388
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究 |
研究代表者 |
石川 裕之 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, アストロバイオロジーセンター, 特任研究員 (00910902)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 光赤外線天文学 / 高分散分光 / 化学組成 / 低質量星 / 系外惑星 / M型矮星 |
研究開始時の研究の概要 |
質量が太陽の約半分以下の恒星であるM型矮星(以下、M型星)を公転する惑星は、2020年代後半の次世代観測装置による生命探査の有望なターゲットである。しかしその惑星の形成過程や内部構造の理解に必要な、M型星自身の元素組成については、統一的な理解がなされていない。本研究はまず、近赤外波長域の高分散スペクトルに基づくM型星の組成決定法を3000 K以下の低温天体に拡張し、連星を利用することでその検証と改良を行う。次に、それを100天体以上の惑星探索データに応用することで、初めて近傍M型星の元素組成について統計的な理解を得る。この成果は、今後M型星周りに見つかる惑星の特徴づけのための重要な土台となる。
|
研究成果の概要 |
本研究は、M型矮星を周回する惑星の特徴づけに不可欠な、M型矮星自体の化学的特徴についての統一的な理解を目指し、(1)これまで比較的高温のM型矮星(有効温度 > 3000 K)の解析にのみ利用されてきた解析法の低温天体(晩期M型矮星)への拡張および検証、(2)惑星探査プロジェクトIRD-SSPにて観測された70天体ものM型矮星に対する上述の解析法の適用、(3)分子吸収線を含めた合成スペクトルを効率的に観測データと比較するための計算コードExoJAXの拡張開発、の3つを実施した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人は誰しも、地球生命とは異なる生物について思いを馳せたことがあるだろう。その存在の確認が、近年急速な発展を見せる系外惑星科学の大目標の1つである。晩期M型矮星については、その周りの惑星の検出や特徴づけが現代の技術で可能であることから特に研究が進んでいる。一方でその惑星の正確な特徴づけのためにはM型星自体の化学組成の理解が重要であるが、天体の暗さや、低温ゆえにスペクトルが複雑になる等の問題に阻まれその研究は遅れていた。本研究は、これまでより高温の恒星に対してしか有効でなかった手法を拡張開発し、実際に70天体ものデータに適用したという点で、晩期M型矮星およびその惑星の理解に資する意義が大きい。
|