研究課題/領域番号 |
21K20394
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹尾 陽子 東京大学, 物性研究所, 助教 (50910155)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 精密計測 / 精密加工 / X線ミラー / 光学設計 / 軟X線集光 / 形状計測 / 波面計測 |
研究開始時の研究の概要 |
鉛直方向と水平方向で異なる集光性能を持つ、非点収差制御ミラーという新設計方式を提案する。作製精度をより高めるために、複数の白色干渉レーザープローブと自動ステージ及び参照平面を組み合わせ、ミラー表面形状に存在する周期100 μmから1 mmのうねり誤差を1 nmの精度で計測する手法を開発する。形状計測結果に基づいて修正加工を施すことにより理想的なミラーを作製し、大型放射光施設において実証実験を行う。非点収差制御ミラーは、特に軟X線ビームラインにおける実用化を見込んでいる。ビームライン設計が簡略化するだけでなく、各種軟X線解析手法に最適なプローブ光の生成が可能となる。
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研究成果の概要 |
斜入射ミラーは高強度かつ波長の短いX線を集光・成形する上で不可欠な基盤技術である。現在X線領域で実用化されているミラーの多くは円錐曲線に基づいて設計されており、このことが光学系設計の自由度を制限している。 本研究では、鉛直方向と水平方向で異なる集光特性を持つ全く新しい斜入射ミラーの開発を目的として、3次元自由形状の設計手法・形状計測・光学系内でのin-situ評価の3点に取り組んだ。その実証として、長手と短手で10倍の縮小倍率の比を持つミラーを作製し、設計通りの機能を持つことをSPring-8軟X線ビームラインで確認した。本研究は軟X線放射光施設をはじめとする様々な応用展開が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光学系を設計する際に、円形ビームが点光源から発するという仮定を用いることは多いが、実際の光源特性には必ずしも当てはまらない。物性研究や製薬の領域で欠かせない役割を果たす放射光軟X線光源はその一例である。このような光源の持つ鉛直・水平方向の非対称性を考慮に入れたうえで、それらを解消あるいは付加する光学技術が必要とされている。 本研究で開発した技術によって、これまで斜入射ミラーが2枚必要だった上述の光学系を、1枚で実現することができるようになった。これにより、多様な軟X線解析手法に最適化した照明ビームを低コストで生成可能となり、新たな物質の発見や現象の解明につながると期待される。
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