研究課題/領域番号 |
21K20395
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
増井 周造 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (00909939)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 回折格子 / 外部共振器 / 光計測 / メタサーフェス / 周期構造計測 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,人工的な光学特性を発現するメタサーフェスや多重周期回折格子などの次世代回折素子に関する研究が大きな注目を集めている.しかし,これらの次世代回折素子が持つ構造周期のダイナミックレンジは広く(数百nm~サブmm),従来の周期構造の計測手法をそのまま適用することは困難である.そこで,従来の回折格子から多重周期性を持つ次世代回折素子を,同一手法で高精度に計測可能な新規計測手法の確立を目指す.波長可変レーザーの原理を用いた逆問題的アプローチにより,次世代回折素子の高精度計測を開発する.提案手法の実現により,次世代回折素子の高精度化や実用化に向けた計測基準に関する研究が加速すると期待される.
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研究実績の概要 |
本研究では,複数の周期性を有する次世代回折素子の高精度な格子周期計測手法の開発を目指した.波長可変レーザーにおける波長制御の原理を逆問題的に捉え,高精度に波長と回転角を計測することで,回折素子の持つ複数の格子周期の一括計測が可能だと考えた. まず,半導体レーザーと光スペクトルアナライザ,オートコリメータからなる格子周期計測装置の開発を行った.リトロー型外部共振器を構成するように半導体レーザーと計測対象となる回折格子を設置した.さらに,格子の回転角はオートコリメータ(角度分解能0.05秒)で計測し,回転にともなう共振波長のシフトを光スペクトルアナライザ(波長計測分解能20 pm)で計測した. 次に,実証実験として多重露光干渉リソグラフィーで作成した二重周期回折格子の格子周期計測を行った.作製した二重周期回折格子は,約1200 nmの格子周期と160, 314 μmていどの空間的なうなりの周期を合わせもっており,従来の計測手法では計測は困難である.しかし,提案手法では,元の格子周期に由来する2つの共振ピークがはっきりと計測できただけでなく,180秒という微小な回折格子の回転によって生じる数nmの共振波長のシフトも計測可能であった.結果として,格子周期の計測誤差が0.4%,リトロー角の計測誤差が0.6%以内という精度での二重周期回折格子の格子周期・リトロー角の一括計測に成功した.これらは,今後需要が高まると予想される複雑な多重周期構造の格子周期計測手法として,重要な研究成果である.
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