研究課題/領域番号 |
21K20399
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安達 眞聡 京都大学, 工学研究科, 助教 (90908386)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 月探査 / 月土壌 / 粉体ハンドリング / 振動搬送 / 月レゴリス / 月面探査 / 粉体力学 |
研究開始時の研究の概要 |
長期月面探査の実現には,物資の搬送リスク・コストの観点から,現地資源である月土壌粒子の活用が不可欠であり,その成否の鍵を握るのが過酷な宇宙環境下でも不具合なく稼働する粉体ハンドリング技術の確立である.本研究では,機械的駆動部や液体・気体が不要であり,制御が簡単で小型化が可能である等と宇宙環境との相性が良い,垂直振動粉体ポンプシステムに着目し,その月土壌粒子に対する搬送特性を調査する.
|
研究成果の概要 |
本研究では,長期月面探査を実現するために不可欠な月土壌粒子のハンドリング技術として,垂直振動粉体ポンプシステムに着目し,非球形粒子である月土壌に対しての搬送性能についての調査を行った.各振動条件が粒径の異なる粒子に対しての搬送性能に及ぼす影響や,球形ガラス粒子と非球形月土壌粒子の搬送特性の違いについて明らかにした.比較的搬送が難しい月土壌粒子の搬送性能を向上させるために,複数のパイプを用いた新しい実験装置を開発し,搬送性能の向上に成功した.さらに月面環境下における本装置の性能について,個別要素法を利用したシミュレーションを行うことで,重力加速度が搬送性能に及ぼす影響を明らかにした.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先行研究では球形ガラス粒子の搬送について調査が行われてきたのに対し,本研究では非球形粒子の搬送特性を実験的に明らかにするだけでなく,その搬送性能を向上させる手法・条件についても見出すことが出来た.また,これまでの研究では数100μm程度の粒子の搬送しか確認できていなかったが,本研究では1mm以上の粒子についても搬送可能であることを実証し,装置の応用範囲拡大という意味でも重要な知見が得られた.さらに,月面の低重力環境下ではその搬送性能が向上するというシミュレーションの結果も得た. 本研究の成果は,将来の宇宙探査ミッションでの実装のみらならず,地上の様々な粉体関連産業への応用等についても期待される.
|