研究課題/領域番号 |
21K20400
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大和 駿太郎 京都大学, 工学研究科, 特定助教 (00908486)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 逐次データ同化 / 粒子フィルタ / 境界条件推定 / 工作機械 / デジタルツイン / 時間領域シミュレーション / 低次元化モデル / データ同化 / クランプ / 薄肉工作物 / 機上計測 / FEM / 加工データ同化 |
研究開始時の研究の概要 |
仮想空間上にバーチャル工作機械を構築して生産工程設計などを行うデジタルツイン技術が注目されている.シミュレーションに必要な構造要素部品間の境界条件は,シミュレータと事前実験で求めた周波数応答が一致するように決定される.しかし,境界条件は加工時の様々な要因によって変化するため,実際に妥当な境界条件を設定することは難しい課題である.本研究では,工作機械に取り付けられた実稼働中のセンサ観測データの逆解析によって境界条件を推定する新たな手法を開発する.従来不可能であった要素境界条件の実稼働状態に基づく自動キャリブレーションを実現する端緒をひらき,工作機械分野におけるデジタル革新に貢献する.
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研究成果の概要 |
工作機械の構造モデルにおける境界条件(要素部品間の接触剛性,減衰など)を自動でキャリブレーションするために,加振力(切削力)と振動の実時間データを用いて境界条件を推定する研究を実施した.任意の点に設置された限られた加速度センサの時間応答と構造振動の低次元な時間領域シミュレーションを,粒子フィルタを用いてデータ同化させることで,データが入力されるたびに境界パラメータの確率分布を逐次的に更新するデジタルツインシステムを提案した.推定された境界パラメータの妥当性を実験により実証した.また,得られた確率分布の広がりや変化から,推定モデルの不確かさや重要な境界パラメータを類推できることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
測定した加工振動データを用いてバーチャル工作機械モデル上の境界条件を推定し,シミュレータを逐次更新していくための基盤技術を構築した.これは,収集した実稼働データとシミュレータが有機的に連動し,機械の使用状態に応じて適応・成長する真のデジタルツインを実現するうえで重要な技術である.また,推定された確率分布の挙動から,稼働状況に応じた重要なモデルパラメータの示唆や信頼性区間の評価,さらには機械状態異常の監視などに繋げられる可能性があり,今後更なる発展が期待できる.
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