研究課題/領域番号 |
21K20401
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
黄 錫永 京都大学, 工学研究科, 特定助教 (90910927)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 不均一変形 / Portevin-Le Chatelier 効果 / デジタル画像相関法 / その場X線測定 / 加工硬化現象 / 高Mn鋼 / Portevin-le Chatelier 効果 / Dynamic Strain Aging 効果 / 放射光X線回折 / セレーション挙動 / Portevin-le Chatelier効果 / 動的ひずみ時効 / 加工硬化率 / PLC効果 / 構造材料 |
研究開始時の研究の概要 |
高Mn鋼では、その引張挙動を示す応力-ひずみ曲線上にセレーションと呼ばれる鋸歯状の応力振動が見られ、さらに加工硬化能を向上させることが知られている。しかしながら、セレーションに関する研究においては、ミクロな現象とマクロな現象の理解が進まなかったため、そのメカニズムは不明だった。本研究では、高Mn鋼のセレーション挙動を局所変形の定量化および、組織観察を通じてミクロからマクロまでのあらゆるスケールで解析する。本研究で得られる知見は高Mn鋼に限らず、高強度と高延性・靭性を兼ね備える金属材料を材料力学の観点から設計する上でのガイドラインになると期待される。
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研究成果の概要 |
セレーションは、引張変形中起こる可動転位と炭素などの溶質原子の「動的な相互作用」から起因する現象として知られているが、これまでのセレーションに関する研究は主に試験片の除荷後に行われ、「引張変形中のリアルタイムの評価」は出来てなかった。そこで、申請者は、DIC法を用いた局所変形解析と放射光X線回折を高Mn鋼の引張変形中にリアルタイムで適用することにより、試験片中のPLCバンディングが応力‐ひずみ曲線上のセレーションと完全に対応することを解明した。さらにPLCバンド内外の転位の平均速度を算出し、炭素の拡散速度と比較することで、マクロなPLCバンドとミクロなPLC効果を結びつける理論を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高Mn鋼は金属材料の中でも非常に加工硬化能が高く、高強度と高延性を兼ね備えることから次世代構造材料として注目されている。一部の高Mn鋼では、その引張挙動を示す応力-ひずみ曲線上にセレーションと呼ばれる鋸歯状の応力振動が見られる。しかしながら、セレーションに関する研究においては、ミクロな現象とマクロな現象の理解が進まなかったため、そのメカニズムは不明だった。本研究では、高Mn鋼のセレーション挙動をデジタル画像相関法および、TEM観察を通じてあらゆるスケールで解析する。本研究で得られる知見は、高強度と高延性・靭性を兼ね備える金属材料を材料力学の観点から設計する上での指針になると期待される。
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