研究課題/領域番号 |
21K20403
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
本告 遊太郎 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教 (20906911)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 乱流 / 壁乱流 / 乱流輸送 / 渦 / 固体粒子 / 数値シミュレーション / 秩序構造 / 直接数値シミュレーション / 混相流 / エネルギーカスケード / 大規模数値シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
乱れた流れ、つまり、乱流による輸送現象の予測を目的として、大規模数値シミュレーションを軸とした研究を行う。とくに、気体/固体/液体といった異なる相の混ざった、いわゆる混相流における輸送現象の予測に挑戦する。予測のためには、乱流輸送の仕組みを簡潔に表現することが有用である。そこで本研究では、「大小さまざまな秩序だった渦」、つまり、「秩序渦の階層」に着目して、それらが輸送現象に果たす役割を明らかにする。この着眼点の下、乱流輸送を紐解く。具体的には、粒子を含んだ混相乱流や気液界面を伴う混相乱流の数値シミュレーションの実行と解析から研究をスタートし、最終的には、乱流輸送予測に関する明確な指針を示す。
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研究成果の概要 |
乱流中には大小さまざまな渦が秩序だって存在する。本研究では、秩序渦の階層に基づいて、乱流による物質輸送現象の物理機構を明らかにした。壁乱流中において、非常に小さい粒子は非一様に分布し、粒子クラスタを形成する。より正確には、重い粒子は、粒子の緩和時間と同程度の旋回時間をもつ渦の中心から掃き出されることで、その渦の周りにクラスタを形成する。一方、軽い粒子は、緩和時間と同程度の旋回時間をもつ渦の中心に集積する。つまり、粒子クラスタの形成には、粒子の緩和時間と渦の旋回時間との時間スケールの一致が重要であり、このことを大規模数値シミュレーションにより示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乱流は身の回りにあふれた現象であるため、幅広い分野で、乱流による物質輸送の制御や予測が求められる。しかし、乱流のもつ強い非線形により、単純な場合においても、乱流輸送に関して理解されていない部分は多い。本研究では、乱流による固体粒子の輸送を、乱流の維持機構に対して重要な役割を果たす「秩序渦の階層」に基づいて、明らかにした。乱流の本質に根ざした解析であるからこそ得られた本研究の結果は明快であり、将来の乱流制御・予測に向けて、より高度な展開が期待される。
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