研究課題/領域番号 |
21K20410
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 三条市立大学 |
研究代表者 |
若木 志郎 三条市立大学, 工学部, 助教 (80912261)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 粒子分散液 / 表面張力 / 薄膜 / 乾燥 / き裂欠陥 / 可視化 / 亀裂 / 毛管現象 |
研究開始時の研究の概要 |
粒子・分子分散液膜の乾燥工程では,分散粒子・分子の濃度(体積分率),粘度,膜厚,表面張力・ぬれ性といった表面物性など様々な因子が膜全域において均一ではなく,分布を有し,さらにそれが過渡的に変化することで,薄膜の最終的な品質に悪影響を与える.本研究では,粒子分散液における液表面の粒子の存在が表面物性に与える影響について詳細に調べ,乾燥におけるクラックの発生と粒子配置の関係性を実験的に明らかにする.そして,乾燥に伴う粒子挙動の制御,高品質な薄膜製造技術の開発へと応用する.
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研究成果の概要 |
粒子分散系の液面に存在する粒子に着目し,毛管力に与える表面に存在する粒子の影響の評価及び,液膜乾燥における気液固三相界面付近の粒子分布について測定を行った.結果,粒子の存在位置や配置の順序が,毛管力(ラプラス圧)に大きく影響を及ぼすことが分かった.また,クラックの成長方向と直交する方向において粒子濃度は一定ではなく疎密が生まれることが観察された.この疎密は,温度,濃度,界面張力の勾配による熱力学,流体力学的不安定性から生じていると考えられるが,この濃度の疎密を詳細に調べることで,クラックの発生に与える影響を解明できることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
薄膜製造技術を理解し開発する上で,粒子分散系の表面物性の評価とその体系化が求められており,非常に重要な研究課題である.これまで液表面に粒子が存在する系における 表面張力は,連続体として観察し測定した値や単純に分散媒の表面張力を元にした議論がほとんどであるが,本研究結果から分散粒子のサイズ,体積分率,表面における粒子の存在位置(粒子間距離,基板との距離など)などの因子が複雑に絡み合う問題であることが実験的に明らかになった,粒子分散系の界面科学という学術領域だけでなく,薄膜形成技術やフィラーを含むプラスチック材の流動シミュレーションなど様々産業分野にも応用できる知見であると考える.
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