研究課題/領域番号 |
21K20416
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
|
研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
中村 幸太郎 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 助教 (30909916)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 混相流 / 流体工学 / 混相乱流遷移 / 流れの安定性 |
研究開始時の研究の概要 |
1883年のReynoldsの実験以降,一世紀以上にわたり解読されてきた乱流遷移のシナリオは,流れに僅かな分散体(気泡,固体粒子等)が混入することで書き換えられてしまう.これは本課題で扱う実験的事実である.分散体による流れの制御技術とも関連して,近年,世界中で研究が進行中である.申請者は諸問題の統合的分析から,この遷移書き換え問題を解決する方法を見出した.希薄分散気泡流の安定性解析,二相間相互干渉効果を考慮した数値計算,渦と分散体の相互干渉効果を明瞭化する流体計測である.理論解析,数値計算および流体計測の成果を融合して,希薄分散気泡流に生じる乱流遷移シナリオを解読する.
|
研究実績の概要 |
本課題では二相流体力学的な「摂理」(時空多重性・非定常性・不規則性)を真正面から扱う.これまでの研究成果より希薄分散混相流に生じる乱流遷移シナリオの解読には,渦と分散体の相互干渉の理解と混相流れの遷移経路の特定が重要であることが分かった.自身の研究成果(Nakamura et al., PRE, 2020; Nakamura et al., JFM Rapids, 2021)を足がかりとして,希薄分散混相流体の遷移経路を明らかにする.今年度は流れ場としてレイリー・ベナール対流(以下RB対流)およびテイラー・クエット流(以下,TC流)を扱い,微細気泡および固体微粒子を含むRB対流について,現象を記述する支配方程式(分散相および連続相それぞれの質量保存則,運動量保存則,エネルギー方程式),9つの無次元数をそれぞれ提案した.現象を特徴付ける無次元数を特定するために,これら9つの無次元数を組み合わせて新たな無次元数を作り,基本場を算出して分類した.その結果,新たな3つの無次元数で基本場が分類されることが分かった.この支配方程式を無限小撹乱に対する線形安定性理論の枠組みで解くことにより,流れが撹乱に対して不安定化する臨界条件,およびそこでの臨界固有関数を決定することが出来た.現在,これら線形安定性解析の成果を査読付き学術雑誌論文投稿に向けて準備中である.その後の課題は,この臨界固有関数を初期近似解として経路追跡法により非線形分岐解を決定して,流れの非線形発展における分散体の役割を明らかにすることである.
|