研究課題/領域番号 |
21K20436
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0302:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
村田 博雅 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (10909576)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 多層グラフェン / 層交換 / フレキシブルデバイス / 結晶成長 / 金属誘起層交換 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ウェアラブル・デバイスの市場が急速に拡大しているが、従来の固いバッテリーが汎用性拡大の面で課題となっている。本研究では、フレキシブル・デバイスの実現に向けて、軽くて柔らかい次世代型二次電池「フレキシブル全固体薄膜電池」を提案する。その実現に向けて、研究代表者の多層グラフェン合成技術をベースとし、実現のボトルネックとなる多層グラフェンの革新構造の開発と負極に関する新学理の構築を行う。
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研究成果の概要 |
フレキシブル全固体薄膜二次電池の実現に向けて、層交換合成した多層グラフェン負極の開発を目標とし、研究を推進した。研究に着手した当初、層交換現象が発現しないという予期せぬ問題に直面した。これを機に、これまで注目していなかった初期の非晶質炭素の膜質と層交換現象の関係を詳細に調査した。その結果、非晶質炭素の密度と酸素濃度が層交換発現温度と合成される多層グラフェンの結晶性に強い影響を及ぼすという、層交換現象における重要知見を明らかにするとともに、層交換現象の再現に成功した。また、金属箔上に層交換合成した多層グラフェン負極を用いてコインセルを作製したところ、良好な負極特性が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の冷却時における金属触媒からのグラフェンの析出合成とは異なり、層交換現象では熱処理中に多層グラフェンが合成される。この成長機構により、膜厚制御した多層グラフェンを低温合成できるという他手法には無い優れた特徴をもち、多様なデバイスへの展開が期待できる。本技術に関して、本研究により新たな原理が明らかとなった。これは今後の多層グラフェンの層交換現象に関する研究に広く適用できる知見であり、本研究で実証した二次電池負極をはじめとして、多様なグラフェンデバイスの実現可能性を拡げるものである。
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