研究課題/領域番号 |
21K20440
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0303:土木工学、社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
峪 龍一 北海道大学, 工学研究院, 助教 (80908426)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 冬期道路管理 / 交通状態推定 / 均衡配分 / 道路ネットワークの不確実性 / 移動時間信頼性 / 確率的交通容量 / 交通データ観測 / 冬季道路管理 |
研究開始時の研究の概要 |
自然災害によって,道路の走行性能は段階的に機能低下する.ネットワーク規模で道路の走行性能が変化すると,移動時間が増加するため,これを緩和するための技術開発が必要である.本研究では,自然災害によって道路の走行性能が段階的に変化する点に着目し,走行性能の変化を道路ネットワーク規模で推定する手法を開発する.路面状態の種類に対応する,固有なネットワーク均衡状態を事前に推定することで,ドライバーに信頼できる移動時間情報を提供することを目的とする.まず,各路面状態に固有な走行性能の確率的変化を解明し,ネットワーク全体の路面状態に応じた,移動時間信頼性を考慮した経路情報をドライバーに提供する技術開発を行う.
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研究成果の概要 |
本研究では自然災害による路面状態の変化に伴って道路ネットワークの走行性能が変動するときに,道路ネットワークの走行性能をネットワーク規模で推定するための技術を開発した.第一に,冬期の路面状態ごとに交通流特性が変動することに着目し,堆雪幅ごとのリンク交通容量を推定する方法を提案した.札幌市で観測されたデータを用いてこれを実証した.第二に,時空間的に不完全に観測されるネットワーク規模の交通観測データの利用を前提として,ネットワーク規模で交通状態を確率変数として推定する手法を提案した.観測データの不足を克服するために,均衡配分モデルによって制約された最尤推定問題として提案手法を定式化した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は,天候や気候条件といった道路環境の違いを考慮して,道路の走行性能指標の確率的な特徴を明らかにする手法を開発した点と,道路利用者の経路選択行動を考慮した上で,道路ネットワークレベルの交通状態を推定する手法を開発した点である.前者について,道路環境の違いによって道路リンクの交通容量の確率的特性が変化することが定性的に説明されてきたがこの変化を定量的に説明する手法を開発した.後者について,地方のように高密度・高頻度な交通観測が実現できない地域では,観測データから交通状態を統計的に推定するのが難しい.そこで,観測機会の不足を均衡配分モデルの利用によって補う最尤推定モデルを開発した.
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