研究課題/領域番号 |
21K20459
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜市立大学 (2022) 東京大学 (2021) |
研究代表者 |
北原 麻理奈 横浜市立大学, グローバル都市協力研究センター, 特任教員 (70912913)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 地方都市 / 中心市街地 / 歴史的市街地 / 多雪地域 / 空洞化 / 土地所有 / 土地利用 / 町家裏地 / カグジ / 共有地 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は豪雪地帯の青森県黒石市歴史的中心商業地を事例に、カグジと呼ばれる町家裏の付属屋+オープンスペースを指す領域の、歴史的な所有・利用のメカニズムを詳細に明らかにすることを目的とする。黒石では、コミセと呼ばれる庇下空間が連なる表通りの町並みを保全・再生しつつ、低未利用化したカグジを活用し街区内側に回遊環境を創出するという市街地再編が目指され展開してきた。私的領域の一部でありながら共有地(=複数の人が共同で利用している土地)としての性格を有したカグジの所有・利用の仕組みを詳らかにし、カグジを公共空間化しようとする近年の市街地再編が如何なる地域的文脈の上に立っているのかについて考察を行う。
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研究成果の概要 |
豪雪地帯の青森県黒石市歴史的中心商業地を事例に、カグジと呼ばれる町家裏の付属屋+オープンスペースを指す領域の、所有・利用のメカニズムを明らかにすることを目指し、本研究では(1)対象街区全体の長期的な土地所有変遷の動向と、(2)カグジの利用実態を明らかにした。 (1)については、1888年から2020年を分析期間として、期間内に対象6街区に存在した全449筆の登記情報を集計分析し、所有権移転の原因や所有者属性、分合筆の特徴などを明らかにした。(2)については、対象6街区内の物理的境界に関する現地での悉皆調査と、土地所有者へのインタビュー調査から、カグジの使われ方を調査しその特徴を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、地方都市黒石市の歴史的中心商業地を対象に、明治20年代から令和までの土地所有変遷を詳らかにし、土地売買や相続といった土地取引の傾向、土地所有者の属性とその変化を解明した。都市計画の分野では、地方都市中心市街地の衰退や空洞化という課題に対し、近年の土地取引の停滞や不在地主の存在が指摘されてきたが、その実態を長期的な視点から詳細に把握することはなされてこなかった。本研究は132年間分の登記情報に関する調査分析を基に、一つの市街地の長期的な土地取引実態とその傾向を解明したという点に、学術的及び社会的意義があると考える。
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