研究課題/領域番号 |
21K20460
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂本 慧介 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (50913092)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 地方都市 / 人口減少 / 都市再編 / 住宅需要 / 地価 / 立地適正化計画 / コンパクトシティ / 居住選好 / 都市空間分析 / 住宅地更新 / 居住地選好 / 都市計画 / 不動産の流動性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,急速な人口減少に伴い,既成住宅地において放棄された空き家・空閑地の増加が加速する地方都市を対象として,住民の居住地選好と住宅地の立地条件・社会条件との関係を,宅地の実勢取引価格ならびに地域ごとの取引の多寡に着目して分析することで,地方都市の住宅需要の実態および地方都市間での相違性を解明し,本知見を基に,流動性の低い既成住宅地を「とかす」ための計画・施策のあり方を考察する。
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研究実績の概要 |
本研究は、急速な人口減少に直面し始めた地方都市を対象として、「継承・更新されやすい既成住宅地の条件」を捉えることにより、立地適正化計画をはじめとする人口減少都市の再編に向けた計画・施策への、知見の応用可能性を考察するものである。 当該年度は、日本の地方中核都市における住宅需要構造と、立地適正化計画をはじめとする人口減少時代の都市再編施策との整合性を捉えるために、住宅需要を示す代表的な指標としての「地価」に着目し、1995年から2020年までの人口変化と地価の変化との関係を分析した。 三大都市圏所在都市ならびに政令都市に該当しない28の地方中核都市(県庁所在都市)を対象に分析を行った結果、「①対象28市のすべてが、1995年から2005年前後にかけて、急激な地価の下落を経験したこと」、「②対象28市において、1995年と2020年との比較において人口が減少したのは17市(60.7%)であったこと(対象期間内に市町村合併があった場合、合併地域は除く)」「③1995年から2020年の人口変化率について、各市の最高地価額との間の相関は非常に弱い一方、1995年を基準とした2020年の中高層住居専用地域の地価額の割合との間には、やや強い相関があること」の3点が明らかになった。 地方都市における都市再編施策は、「商業地を中心に都市機能を拡充し、居住の誘導を図る」という構想の下で展開されているが、地方中核都市における近年の住宅需要は必ずしも中心地の都市機能にけん引されているわけではないことが、上記の分析から考察される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
他の業務との兼ね合いの中で、当初想定していたほどのエフォートを割くことができず、またコロナ禍の中で、充分な現地調査等も行えなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、1995年から2020年までの地価変化を動態的に捉え、対象都市の人口変化との関係を明らかにする。また、対象都市の中には「地価が相対的に低く、かつ地価の下落率が大きいにもかかわらず、人口を維持している都市」が複数存在しており、それらの都市を対象としたケーススタディを通じて、人口の維持に寄与しうる都市構造のあり方を考察し、人口減少時代における都市再編に関する示唆を得る。
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