研究課題/領域番号 |
21K20462
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
福井 一真 神戸大学, 工学研究科, 助教 (00908767)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 凍害 / 組積造建築 / 数値解析 / 熱水分移動 / ひずみ / Poromechanics / 異方性 / 実環境 / 熱水分同時移動 / 組積造 |
研究開始時の研究の概要 |
建築材料の凍害は、材料内の水分が凍結と融解を繰り返すことで表面の剥離や亀裂、壁体の剥落などを引き起こす現象である。本研究では近年国際的に関心が高まっている組積造建築の凍害に着目し、壁体を構成するれんがの物性値の異方性や不均一性を精緻に把握したうえで、れんがとモルタルからなる壁体内の熱水分移動や応力・ひずみ変化のシミュレーションを行い、外気の温度変動に晒された際に壁体が劣化するメカニズムを明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では熱水分移動と応力・ひずみ変化の連成解析モデルを用い、材料内の水分の凍結融解による組積造壁体の劣化メカニズムの検討を行った。まず、壁体を構成する焼成材料の持つ物性値の異方性に着目し、変形の異方性を考慮できる適切なモデル化についての検討を行った。また、寒冷地において日射や外気の温度変化に晒される壁体を再現するモデルを作成し、シミュレーションにより材料内の含氷率や細孔内の液水・氷の圧力が上昇し凍害リスクが高まる時期や位置を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
欧州では断熱改修に伴う組積造壁体の劣化リスクの変化への関心が高く、文化財建築の保存は国内外問わず急務の課題である。このような課題の解決策となりうる数値解析に用いる適切なモデルの検討を行ったことや、実験室実験では再現が難しい実際の壁体構成や環境条件を想定した劣化メカニズムを示したことは意義が大きいと考えている。今後本研究で行ったモデル化や検討手法をもとに、より広い環境条件や様々な壁体構成を考慮した凍害リスクの評価が期待できる。
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