研究課題/領域番号 |
21K20465
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
劉 虹 東京理科大学, 創域理工学部建築学科, 助教 (00907967)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 連層耐震壁 / 中間梁 / 縦長開口 / 垂れ壁付き梁 / 枠梁 / 鉄筋コンクリート造 / 鉄筋コンクリート / 開口低減率 / 不規則的な配置 / FEM解析 / 耐力低減率 / 縦長開口縦長開口 / 不規則にな配置 |
研究開始時の研究の概要 |
鉄筋コンクリート造建物の重要な耐震要素である耐震壁は建築設計上の制約により開口を有 する場合が多いため,開口の影響を適切に評価する必要がある。本研究では縦長開口が不規則に配置された連層耐震壁を対象に実験とFEM解析を通して,当該部材の耐荷性能,破壊性状および変形性能を確認するとともに,実験結果を精度よく再現できる解析モデル化手法を確立する。また,パラメトリック解析により,開口配置および高さなどのパラメーターが当該部材の応力伝達機構に及ぼす影響を検討する。さらに,③縦長開口が不規則に配置された連層耐震壁の耐力低減率を提案し,世界的に未確立な性能評価法を提案することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では,縦長開口が不規則に配置された連層耐震壁の耐力評価法を提案することを目的とする。今まで,縦長開口が不規則に配置された連層耐震壁試験体の実験結果に着目し,当該部材のFEM再現解析・変数解析の結果に基づいて検討していた。試験体全体および耐震壁の構成要素の変形に着目して実験的および解析的に検討していたが,局所の変形特性,特に変形角0.25%radレベルの小さい変形で破壊が生じる中間梁の変形特性を把握するために,当該部材の損傷状況,耐荷・変形性能を得る要素実験は極めて重要である。そのため,近年の地震被害で既存RC造建物においてせん断破壊が数多くみられている開口部の上部における梁に焦点をあたって,縦長開口連層耐震壁試験体の中間層における垂れ壁付き梁の構造性能を評価できる構造実験を念頭に,開口配置および梁のあばら筋比を変数とした事前要素解析を実施した。当該部材の最大耐力および損傷状況を検討するとともに,あばら筋を部分的に増加する補強手法を解析的に検討した。今年度では,縦長開口が不規則に配置された連層耐震壁を対象とした査読付き論文1件およびプロシーディング付き国際会議を投稿して採用されており,中間梁を対象とした事前解析の分析結果も今年度日本建築学会の大会で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画当時,縦長開口が不規則に配置された連層耐震壁の耐力評価法を解明するため,連層耐震壁の試験体を対象とした変数解析および構造実験を計画していた。一方,既往の実験結果および本研究で行われたFEM解析の結果から,小変形レベルで中間梁に破壊が生じやすく,中間階の開口上部における梁の変形特性・構造性能を把握することは連層耐震壁の耐力評価法に必要不可欠である。不規則な開口配置が連層耐震壁の構造性能に及ぼす影響を実験的に検討する前,開口配置が垂れ壁付き中間梁の構造性能に及ぼす影響を明らかにする必要がある。そのため,垂れ壁付き梁を対象とした実験を起案し,研究計画の変更があるため,当時の研究計画より「やや遅れている」として選択する。垂れ壁付き中間梁を対象とした事前変数解析および試験体計画は完了し,載荷計画および実験準備を進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
現在,現在開口がある壁部材の枠梁,特に開口上下における梁の寸法や配筋などに関する特段の規定がない。1999年版の日本建築学会の鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説では,耐震壁周辺における枠梁や枠柱の最小断面積と最小径の推奨値が示されたが,2010年の改訂では,連層耐震壁の中間梁の梁型を必ずしも設ける必要はないと緩和された。なお,本研究で示す梁型のない中間階の梁では,せん断強度を算定できる手法は未定であり,不規則な開口配置が連層耐震壁における垂れ壁付き中間梁の構造性能に及ぼす影響を解明する必要があり,研究計画を変更した。
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