研究課題/領域番号 |
21K20466
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
伯耆原 智世 早稲田大学, 理工学術院, 専任講師 (70908061)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 高層木造 / 火災 / 燃え止まり / 材積 / 軽量化 / 3時間耐火 / 耐火構造 / 木質構造 / 3時間耐火 / 高層化 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、大規模・中高層木造は、脱炭素化や森林資源活用の観点から、近年、世界的に注目されている。高層建築全体を木造で成立させるのに必要な耐火性能の高度化と、それに伴って肥大化する部材断面寸法の制御を両立させて、部材断面の構成や材料を、建築計画やコストに合わせて合理的に選択可能にすることを目的とした基礎研究である。 部材内の適材適所で樹種や材料等を変化させることで、部材断面の過大化や、階によって断面が大きく異なるなどの制約が生じないようにし、鉄骨造等で培われてきた建築計画手法が生かせるような木造設計手法を提示することを目標とする。
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研究成果の概要 |
高層建築全体を木造で成立させるのに必要な耐火性能と、部材断面寸法の関係について、難燃処理木材を燃え止まり層に用いた木質構造部材を対象として、以下の成果を得た。(1) 15階建て以上が建築可能となる3時間耐火性能を確保する断面構成の見通しを得た。 (2)燃え止まり層のラミナ方向をラミナ収縮や亀裂が起こりにくい方向とすること、また燃え止まり層に不燃材料相当の難燃処理木材を使用することにより、炭化深さを低減できることを明らかにした。 (3)難燃薬剤量の増加による炭化深さの低減効果は、加熱中に比べて放冷中に大きいことを明らかにし、被覆層の軽量化に寄与する手法の一つとなり得ることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既に開発済みの2時間耐火部材の被覆層厚さ程度で、3時間耐火性能を確保する部材断面構成を明らかにしたことは、耐火被覆厚さによって、同一建築物内で階によって部材断面寸法が大きく異なるというような設計計画上の制約を軽減できる成果である。更に、同じ被覆層厚さの中で、加熱面側の燃え止まり層の難燃薬剤量を低減できる見通しが立ったことで、更なる部材重量の軽量化や、建築計画上の納まりやコストによって建物全体での柱・梁の断面が選択可能となる設計手法の確立に寄与すると考える。
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