研究課題/領域番号 |
21K20478
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 乃理子 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (80910174)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 有機半導体ポリマーナノ粒子 / 蛍光ナノ粒子 / 腸内細菌 / 細菌イメージング / 細胞イメージング / 有機半導体ポリマー / ナノ沈殿法 / 腸内細菌叢 / 脳腸内細菌軸 / 神経疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
腸内細菌と中枢神経機能との関連に着目する脳-腸内細菌軸に基づく、神経疾患の病理解明、治療法の開発、早期診断指標の模索への試みが近年注目されている。腸内細菌叢の組成の解析が脳-腸内細菌軸の一部を解明する成果を挙げているが、ゲノム/トランスクリプトーム解析を主とした既往の手法は煩雑かつ高コストである。本研究課題では、疾患に関連した腸内細菌叢の組成変容に着目し、簡便に可視化できるようなイメージング技術の開発を目指す。蛍光分子をナノ粒子として集積化することによる、細胞膜の機能に影響しないラベル化技術を提案する。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、腸内細菌叢の組成の変容をリアルタイムで簡便にモニタリングできる新規イメージング技術の開発を目的とし、有機半導体ポリマーナノ粒子(PDot)を用いて腸内細菌をラベル化することによる菌組成の変容の観測を目指した。腸内細菌の機能を阻害せずにラベル化するために、PDotのサイズの最適化は重要である。まず、15~200 nmという広範囲で精密にPDotのサイズを制御する合成手法を確立した。さらに、機能性分子の一つであるDNAと、非特異的な相互作用を抑制するPEGのPDotへの修飾手法を最適化した。菌表面のLPSを認識するアプタマーをPDotに修飾することによる、菌のラベル化が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸内細菌叢の組成に着目し解析する試みは数多く為されているが、検出手法はDNA/RNA解析が主流であり煩雑かつ高コストな点が課題となっている。そこで、低分子蛍光色素による腸内細菌のラベル化及びイメージングが提案されているが、表面を無数の蛍光色素が覆うことによる細菌の機能への影響が懸念される。ナノ粒子を用いることで細菌の機能への影響を低減したラベル化手法を提案する本研究は新規の試みである。本研究課題において開発された技術によって脳-腸内細菌軸のハイスループットな解明が加速することにより、これまで有効な治療法が確立されていない神経疾患を全身疾患として捉えた新たな治療・診断技術の開発が望まれる。
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