研究課題/領域番号 |
21K20479
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宗岡 均 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (50908803)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 鉄鋼精錬 / 電気炉製鋼 / アークプラズマ / 窒素吸収 / 発光分光測定 |
研究開始時の研究の概要 |
製鉄プロセスは産業界で最大のCO2排出量が最大であり、脱炭素のためには電炉法の抜本的拡大が一つの鍵となる。電炉では溶鋼中に溶解した窒素の除去が困難という大きな課題があるが、窒素はアークと溶鋼が接触する界面で平衡濃度を超えて過剰に溶解することが知られている。そこで本研究では、実機を模擬した高温環境下でアークおよび各種プラズマ源を利用して窒素活性種の濃度やフラックスの制御を行い、気相側と溶鋼側の詳細な測定・評価を通じて、アーク/溶鉄界面の窒素吸収挙動の解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
カーボンニュートラル達成に向けた製鉄プロセスの抜本的転換(高炉法→電炉法)に向けて、アーク/溶鉄界面の窒素吸収現象についての基礎的測定を実施した。まず、高温炉内に、アーク制御系、光学測定系、試料採取機構等を導入した独自の実験系を構築した。その結果、窒素系活性種がアークの発光領域外にも広がることがわかった。また発光種やアーク温度分布が周囲温度によって異なり、周囲温度が高温の場合の方がむしろ陽極(溶鉄)側でのアークの緊縮が強く働く可能性を示した。このように、本研究で構築した実験系を用いた高温実験の有用性を示すとともに、今後窒素吸収現象の解明に必要な、溶鉄上のアークの基礎的知見を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本で最大のCO2排出源となっている鉄鋼業のカーボンニュートラル達成に向けて、製鉄プロセスの抜本的転換(高炉法→電炉法)が重要であり、その実現のために、本研究で対象としたアーク/溶鉄界面の窒素吸収現象の解明が求められている。本研究は本現象の基礎的知見を明らかにしたものであり、特に炉内の温度をアークとは独立して制御することで周囲温度がアークの広がりに与える影響を測定できた。これは、アーク溶接等の他分野における室温環境での研究と、本研究で主眼とする電炉内の高温環境におけるアーク研究を橋渡しするものである。
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