研究課題/領域番号 |
21K20487
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 周平 京都大学, 工学研究科, 助教 (00911710)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 超微細粒金属材料 / ミディアムエントロピー合金 / 変形組織 / 電子顕微鏡 / 格子欠陥 / 転位 / 双晶 / その場回折測定 / ハイエントロピー合金 / 透過電子顕微鏡 / 力学特性 / 結晶粒界 / 巨大ひずみ加工 / 材料組織 |
研究開始時の研究の概要 |
材料の強度(強さ)と延性(ねばさ)には一般的にトレードオフ関係がある.そのトレードオフ関係を打開する方法として金属材料の結晶粒組織の超微細粒(UFG)化が注目されている.UFG組織を有するCoCrNi等原子量合金は,高い強度と高い延性を両立した特異な変形挙動を示す.本研究では,電子顕微鏡による変形組織観察と変形中のその場回折測定を組み合わせた独自の手法を駆使し,UFG組織を有するCoCrNi等原子量合金が示す強度と延性を両立した特異な力学特性の発現メカニズムの解明を目指す.それにより,優れた力学特性を有する新しい構造用金属材料の設計が可能になると期待される.
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研究成果の概要 |
完全再結晶超微細粒 (UFG) 組織を有するCoCrNi MEAに対し室温引張変形を施すことで発達する変形組織を系統的に調べることで、その優れた力学特性の起源を明らかにすることを研究目的とした。平均結晶粒径400 nmの完全再結晶組織を有する試料を作製し室温引張試験を行った。降伏点近傍では、幅広く拡張した積層欠陥や絡みあった転位が頻繁に観察された。その後は、積層欠陥や転位の密度が上昇するとともに、微細な変形双晶が観察された。UFG組織を有するCoCrNi MEAでは、転位密度の上昇に加え、高密度に生成する面欠陥が転位の運動を動的に阻害することで、高い加工硬化能が得られたと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,UFG組織を有するCoCrNi MEAの特異な変形機構の解明を通じて,従来のUFG金属の典型的な問題点であった延性の低下を克服するために何が必要であるかを結晶粒界の拘束と変形組織発達の観点から明らかにすることができた.このようなUFG金属に特徴的な変形挙動を詳細に明らかにする研究は,これまでに世界各国で行われているUFG金属の材料科学研究の発展に大きく貢献するほか,強度と延性を両立した究極の構造材料を設計するための指針を得ることで社会・産業界の発展にも貢献できると考えられる.
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