研究課題/領域番号 |
21K20501
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0402:ナノマイクロ科学、応用物理物性、応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
平田 海斗 金沢大学, 新学術創成研究機構, 博士研究員 (50909984)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / 液中電位計測 / 電気化学 / 金属腐食 / 触媒 / オープンループ電位顕微鏡 / 局所腐食 / 液中電位計測技術 / 高Cr基合金 / 液中局所電位分布計測 / 電気化学反応分布 / 酸化還元反応 |
研究開始時の研究の概要 |
「金属腐食」や「触媒反応」などの界面の電気化学現象理解には、液中で電荷・電位をナノスケール計測できる技術が必要である。我々が開発した液中オープンループ電位顕微鏡(OL-EPM)は、それをできる独創的な技術であるが、10 mM以下の電解液濃度制限がある。通常の電気化学反応は、それ以上の高濃度電解液中で生じていることが多く、その様な環境でしか観察できない現象も存在する。本研究では、装置原理の探求により、高周波で変調できるOL-EPMを開発することで本技術の原理的制限を解決する。
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研究成果の概要 |
オープンループ電位顕微鏡(OL-EPM)は、原子間力顕微鏡を元に開発された、液中で表面形状および電位分布をナノスケール計測することができる計測技術であるが、低電解液濃度中での計測に制限されてしまう。本研究では、従来よりも4倍近く高周波な超小型カンチレバーを開発し、これまでより3倍程度濃い電解液中での計測を実現した。また、二次共振周波数近傍を静電的に励振してOL-EPM計測を行う新たな計測手法の確立にも取り組み、提案した手法の実現可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電極-電解液界面における電気化学反応は、「金属腐食」や「触媒」、「電池」などと密接に関係しており、学術・産業分野においても重要である。これら現象について理解を進展させるため、近年では反応分布などを局所的に直接計測するための計測手法が求められている。本研究で開発した技術により、これまでよりも高濃度環境下でナノスケールの液中電位計測が可能になったことで、従来では困難であったモフォロジーと反応性などについて液中で理解することが可能となった。これにより新規材料開発のための設計指針を示すことが可能になる。今後は、界面科学、腐食科学、触媒化学などの発展、ひいては脱炭素社会発展にも貢献するものと考える。
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