研究課題/領域番号 |
21K20506
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0402:ナノマイクロ科学、応用物理物性、応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
宮戸 祐治 龍谷大学, 先端理工学部, 准教授 (80512780)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / 高速AFM / 雪氷結晶 / 高速化 / 成長機構 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、雪氷結晶の成長過程を実験的に解明することを目的とし、成長環境を制御可能で高速な周波数検出型原子間力顕微鏡(FM-AFM)を開発する。さらに、開発した装置を用いて、氷点下であっても氷の上において液体として存在する水の層(擬似液体層)を観察することを目指す。成長する際の周囲環境による雪氷結晶表面の形態変化、および擬似液体層の状態変化を観測することで、成長モードの温度依存性を解明することに挑戦する。
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研究成果の概要 |
水晶振動子センサを用いたプローブスキャン方式の高速AFM装置を新規に作製し、温度変化があっても機械ドリフトが生じにくい設計上の工夫も施した。実際のスキャナ特性として約20kHzの制御帯域を有することを確認した。また、構築したAFMコントローラもFM-AFMが実施できることを確認した。残念ながら、本課題で開発した装置は依然として多くの調整を要している。しかし、旧プロトタイプAFM装置によって雪氷観察をした結果を解析すると、擬似液体層の存在が雪氷結晶の表面状態に大きく関わっていることがわかり、雪氷結晶の成長形態に大きく影響することが示唆された。今後、開発した装置を用いて擬似液体層の観察を続けたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高速AFMで雪氷結晶を観察できる装置はこれまで報告されておらず、水晶振動子センサを用いたプローブスキャン方式の高速AFMも研究実績は多くはない。上記装置を研究活動スタート支援のお蔭によって整備できたことは、雪氷結晶の観察にとどまらず、湿度や温度をコントロールして測定できる点で応用範囲が広いと考えている。特に、試料が水などで部分濡れしていても水晶振動子センサの適用により安定撮像できるという技術的な意義もある。今後、安定動作を達成し、様々な条件で雪氷結晶を測定できるようになり、擬似液体層の粘性と成長速度の相関を明らかにできれば、永らく謎であった雪氷結晶の成長機構の解明に寄与することが期待できる。
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