研究課題/領域番号 |
21K20507
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0402:ナノマイクロ科学、応用物理物性、応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
柳 瑶美 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 博士研究員 (90911280)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | NVセンター / 全光学的計測 / バイオイメージング / in cells / in vivo / ex vivo / 全光学的 / 蛍光ナノダイヤモンド / 窒素-空孔中心 / 量子センサー / 光検出磁気共鳴 / 定量生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、細胞内の局所的なpHの変化が生命現象に重要な役割を果たすことが示唆されている。これを実証するためには、生細胞中の局所pHをin situで観測しなければならない。本研究では、ナノメートルオーダーの空間分解能で物理・化学パラメータの検出が可能な窒素-空孔中心を有する蛍光ナノダイヤモンド(FND)を利用して細胞内局所pHを計測するための技術の確立を目指す。生細胞への適用にあたり、低侵襲な顕微鏡システムと、pH応答性やターゲッティングの妨げとなる非特異吸着を抑えたFND試料の開発を実施する。これにより、細胞内物理・化学パラメータの網羅的な解析に基づく生命の本質理解への貢献が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では生命現象において局所的なpHの変化が重要な役割を果たすことの実証のため、蛍光ナノダイヤモンド(FND)を用いて細胞内局所pHをin situ計測する技術の確立を目指した。このために、低侵襲なODMR計測システムと、pH応答性を有しかつターゲッティングの妨げとならないFND試料の開発を行った。まず、全光学T1強調ODMRイメージング技術の開発により、FND選択的なイメージングに成功した。また、生体親和性が高く非特異吸着が生じにくい親水性コーティングのFND試料の開発も実施した。これにより、FNDを用いて細胞内微小環境のpH変化を検出するための準備が整った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、細胞内の局所的なpHの変化が生命現象に重要な役割を果たすことが示唆されているが、その実証には生細胞中の局所pHをin situで観測しなければならない。QST五十嵐グループでは、FNDの表面電荷状態によってNVCの縦緩和時間T1が変化する現象を利用し、微小空間内pHのリアルタイム計測を世界で初めて実現した(Fujisaku et al., ACS Nano 2019)。本研究により生細胞中の局所pHを観測するための技術の確立に近づいたことで、細胞内物理・化学パラメータの網羅的な解析に基づく生命の本質理解に貢献できたと考えている。
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