研究課題/領域番号 |
21K20509
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0402:ナノマイクロ科学、応用物理物性、応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
畑山 祥吾 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 産総研特別研究員 (50910501)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 相変化材料 / 非線形性 / 不揮発性メモリ / Ge-Sb-Te / 金属-絶縁体-酸化物接合 / 酸化物 / MIS接合 / セレクタフリー素子 / セレクタ / 低消費電力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、相変化材料(PCM)と絶縁性極薄酸化物膜の界面物性を利用したセレクタ機能の発現を目指す。金属-絶縁体-半導体(MIS)接合で観測される非線形な電流-電圧特性を利用すれば、バンドギャップ等の物理特性の変調により動作特性を制御でき、また超高集積化の実現も期待される。電気特性への影響が予想される界面反応現象に関する学理を構築しつつ、新しい概念に基づく材料・デバイス構造を提案し、大容量・低消費電力PCRAM素子の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
相変化材料として広く普及しているGe-Sb-Te化合物(GST)を用いた不揮発性メモリでは、一般的に、セレクタと呼ばれる非線形性を示す素子選択層(厚さ:数十nm)が別途必要となり、素子の高集積化を妨げる要因となっている。 本研究では、絶縁酸化物の高い抵抗とトンネル電流を利用して、セレクタフリーな素子構造の実現に成功した。当該構造では、僅か5nmの酸化物をGSTと電極の間に挿入したMIS接合の示す非線形性に素子選択の役割を担わせることが出来る。その結果、縦方向への素子サイズを劇的に短縮することが可能となったため、大容量メモリ実現の可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代社会において電子デバイスは最重要インフラとして位置付けられ、デバイス内で情報の記憶を担う不揮発性メモリ(NVM)の高性能化は極めて重要である。GSTを用いたNVMは既存のフラッシュメモリよりも優れた点を有するものの、集積度の観点で劣っている。本研究成果は、GSTのベースNVMのボトルネックが、GSTと電極間に絶縁酸化物を挿入するという至ってシンプルな手段によって解消可能であることを示す成果である。当該成果は、NVMの将来的な高性能化に資するものであり、その社会的意義は高いと判断する。
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